第257回 滋賀県 近江八幡市の和菓子本舗 たねやの4代目社長を偲ぶ。

 みなさん、こんばんは、模型公園です。♪                   2012年8月19日日曜日の投稿です。
 
  いまから、450年ほど前、尾張の国、中村の百姓 日吉丸こと、木下藤吉郎には、異父弟のこいちろう と言う、
 
弟がいた。
 
 
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 この弟の、こいちろう、田仕事をせず、茶ばかり飲んでいる父と違い、母のなかを助けて、中村の田を守っていた。
 
藤吉郎に、なんども頼まれて、織田家の仕事を手伝うようになるのであるが、寄り合いの席で、自分の意見を述べる
 
のであるが、こいちろうの言うこととは逆の事が決まったのであったが、「わいは、すこしでも、よくなればと考えて、
 
おのれの考えを言ったまでで、反対の策に決まっても、自分の考えたことのように、一途に取り組むまて゜のこと。」
 
物事、このような取り組みの弟 こいちろうであった。
 
 こいちろうは、「兄者の立場になって、物事を考えて、何事もとりくむ。」と、周囲に話し、周囲も感心するばかりか、
 
軍師の竹中半兵衛黒田如水蜂須賀小六も、一目を置いていた。
 
 そんな弟を、藤吉郎は、多少行き違いがあっても、人前でこいちろうの顔をつぶすようなことをしなかったし、「弟よ。」
 
と呼んで大切にした。
 
 
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  この、こいちろうが、後の大和大納言秀長公で、そばで右腕で支えたのが、千利休居士と、左腕とも言われた
 
のが、島左近であった。
 
 島左近は、秀長の死後、石田三成に、当時の領地の半分を左近に出すと、家老で招かれ、石田家の重鎮といて
 
慶長の後半の関ヶ原の合戦でも、活躍する。
 
  秀吉と秀長の好きな茶碗が、利休居士が、高麗から招いた、陶工 長次郎の赤茶碗であった。
 
はじめは、検校と呼ばれる茶碗のように、井戸茶碗風の形であったが、利休居士の指導により、今の詫びた、
 
ゆがんだ茶碗の形になったのである。
 
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良く、利休居士を題材にした映画では、利休居士が、黒楽の茶碗を愛玩し、もののわからぬ秀吉は、赤楽を愛玩し、
 
黒い茶碗を、利休居士から取り上げて、庭に投げて割ってしまうとかのシーンがあるが、あんなのは、創作である。
 
カキのずくしのような、赤い、夕焼けのような色は、現代でも人の心をとらえて、やまない良い釉薬である。
 
上の写真の茶碗は、口元から、下まで1条の太刀が入り、【割れてヒビが入ること】裸で、粗末な扱いをされていた
 
茶碗、遠くから、そのかわいそうな姿を見ていた、模型公園が、気の毒に思い、手に入れ、修復をした。
 
 
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           昨年紹介した、この木地の棗も、ホコリだらけで、段ボール箱の隅に追いやられていたが、
 
           模型公園の所に来て、毎日のように手入れされ、最近は良い味が出てきた。
 
           茶入れ、茶碗、皿、使うにつれて、成長する器が良い作品である。
 
 
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  最近、夏休みで、大仏様のお供をして、お客のお茶の先生、数寄者などの会話を聞くと、本当に、焼き物が
 
好きな人は、いないように感じる。 箱がないのか、書き付けは、折り紙は、鑑定書はーーー。
 
こんな具合で、箱や、紙や、鑑定書を買うわけではないので、焼き物を見て、気に入れば買えばよいのであって、
 
商いのやりとりは、滑稽な風景である。
 
にせ物でも、本物でも、自分が買って、夜に仕事から帰って、眺めて、一日の疲れがとれる作品が、よいのであって、
 
にせ物は、にせ物の安い値段、本物は、本物の当時の相場で求めるのが、良いと考えるのである。
 
 
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  それを、箱とか、書き付けとか、鑑定書とか、見て買おうとするから、悪徳商売人に、「保証します。」とか、
 
いい話をされて、お茶とコーヒーが出てきて、次に、ケーキとか、お菓子とかが出てきて、調子を合わせた、世間話を
 
した後に、「社長、社長、先生、先生、ほうー、ずいぶんと、よく勉強されていますねー。」なんて、
 
心ないことを言われて良い気分になって買うと、ーーーーーー。
 
  金額の10分の1程度の品で、大きな経済的損を被るのである。
 
又、鑑定書などは印刷屋が協力すれば、本物とうり二つの書類など、あっという間に出来てしまうのである。
 
 又、そのにせ物の鑑定書が、いろんな所をグルグルと回るうちに、紙に良い時代風化がついて、さらに、人を
 
だましていくのである。
 
 
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  模型公園が、感じているのは、本物の良い物をまず、自分の手で持って、ためつすがめつ見ること、ここからす
 
べてが始まる。
 
   そして、数をこなしていくこと、銀座のスズラン通りの、藤代一門の故 柴田光男氏に、「まずは、3年買わずに、
 
勉強しなさい、本を見て、手に持って、店に行っても買うことはせず、主人に一言ことわりを入れて、見学しなさい。
 
 私から、こう言われたと、つげれば、そこの店の主人も悪くはおもうまい。」と、ーーーーーー。
 
楽焼の良い物は、手に持つと、ミカンの皮のように、軽いのである。
 
現在の土で、姿形は、まねは出来ても、430年も前の素材のまねは出来ないのである。
 
そして、製作方法も、勉強が必要である。当時はどのようにして、どんなやり方で、どんな材料で、作ったのか、
 
どこの土を用いたのか、 楽家では、今、土を採取すると、3代後に、使用するという、約100年ほど、寝かせるのだ
 
という、驚きの技法である。
 
 
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            そして、各代にもよるのであるが、側面につり下げて焼いた、跡が残っていること、
 
            楽のお茶碗は、他の焼物とちがい、1つ1つを小さな炉で、鞴【ふいご】を使用して焼いていく、
 
            そのときに、側面につり下げた跡が2カ所つくのである。
 
 
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           そして、床面につく、高台の裏手には、印判を、各代の吉左右衛門が、押しているのである。
 
 
 
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           この楽という、印も、各代、微妙に違っていて、にせ物も多いので、注意が必要である。
 
                    この画像の隷書体の印の楽は、旦入の印と思われる。
 
          本物を見るうちに、自然と本物の約束事、特徴、そんなところが、わかっていき、
 
          ゴミのガラクタの中に、埋もれていても、遠くから一望するだけで、光って見えるようになる。
 
 
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  なーーんちゃって、 いえーーーぃ ♪  日曜日に、好みの道具を手入れしていた模型公園です。
 
大仏様と、お客さんのお話を、聞いた受け売りの文章を並べてみました。
 
 このお茶碗、かわいそうに、ガラクタ箱の中に入っていて、持ち主に上手に気づかれないように全部一式で買って、
 
この茶碗を取り出して、半年前に、白崎さんという、おじさんに、金漆で直していただいたお茶碗です。
 
この白崎さん、お値段が世間の通常より安くて、乾燥させないといけないので、数ヶ月預けるようになるのですが、
 
几帳面な方で、各工程ごとに、写真を郵送で、連絡を入れていただけるのです。
 
 最近、悪い人が多いので、こうして連絡していただけると安心で、仕事ぶりも、大変まじめです。
 
 そして、戻って来て、さらに半年、日影で乾燥させるように指示を受けて、ガンダムと一緒に並べて、飾っていました。
 
今日は、指示された期日が過ぎたので、茶を点てて楽しんでみようと思います。♪
 
 
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           今日使用する食器は、美作の橋本屋さんから買った、この楽焼のお皿です。
 
 
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                      後に、それらしい、楽の印がおしてあるのですが、
 
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              模型公園の鑑定によると、残念ながら、現代の昭和のにせ物です。
 
              そして、手に持つと、重たいですね、材料の土が、違うようです。
 
              でもね、にせ物は、それなりの安い値段で買って、楽しめばよいのです。♪
 
 
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               今日は、こんな感じで、わらび餅をたくさん食べる事にしました。
 
             この赤い撮影台、大仏様が、本来茶碗などを撮影するのにこしらえた台で、
 
             模型公園が時々借用して、ブラモデルを撮るときに、利用しています。
 
滋賀県近江八幡市の老舗和菓子屋の たねやの4代目社長が、つい最近テレビで、お餅をついて、手で、団子
 
状に丸めて、小皿に取り、オリーブオイルをかけて食べるのがよいと、お話しされていました。
 
模型公園は、その社長のお話を注意深く聞いていて、感心したのが、町の横断歩道に、赤信号待ちで、たたれて
 
いたのですが、青になると、1番に横断歩道を歩かれるのです。 「人より先に、 人のまねはしない、2番煎じに
 
なってまう。」と言われて、お話を聞いていた模型公園は、感銘を受けたのでした。
 
 最近、和菓子屋さんは、あんこを外注に出すことが多いのですが、今でも、こだわりのアンを、自分のところで、
 
作られています。
 
また、通常では、作り方などは、秘伝とするところで、他社には、見せないのが普通ですが、ここのたねやは、
 
同業、その他の一般の人に、隠さず、公開して、作り方まで教えてくれるのです。
 
又、使用する、よもぎなども、自分の工場の近くの近江八幡市で、栽培されて、良い素材を使用されている。
 
考え方が、普通の人とちがい、心がけが違うようです。
 
 その若い社長は、坊主頭で、どっしりと構え、推薦されていたのが、オリーブオイルです。
 
イタリアの方では、日常 醤油のように使用して、パン、バスタなどに使用するのですが、社長は、お餅をついて、
 
出来たてほやほやを、団子状に丸めて、オリーブオイルを上からかけていただく。
 
 
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     たねやの社長は、毎日少量、オリーブオイルを飲んでいるそうで、お肌につやが出て、美容によいそうです。
  
     人のやらないことを考えてみる、そして実行してみる。 最近不景気で、何をやってもうまくいかない昨今
 
     良いお話を聞きました。
 
    ここのたねやさん、大阪のデパートで、社長の弟さんが、バームクーヘンを売り場で焼いて、ホカホカの出来
 
   たてを焼いて、客に提供し、繁盛しているという。
 
    木下藤吉郎と、弟、こいちろうの様に、仲良くがんばってほしいと、模型公園は思ったのでした。
 
   
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             わらび餅は、1トレイ 49円で、販売していて、貧乏な模型公園には、ありがたいお菓子です。
 
              冷蔵庫で、冷たく冷やしていただきます。
 
 
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           白崎のおじさんに、金漆で直していただいた、お茶碗に、湯を沸かし、茶を点ててみました。
 
 
 
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            稲妻のような、修復箇所、 今日は、このお茶碗に、【いかづち】と、銘をつけて大切に
 
 
            することにしました。
     
            
 
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            お餅のだんごに、オリーブオイルがあうのであれば、 わらび餅にも合うのではと、
 
            考えて、上からかけてみました。
 
 
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              それでは、ひとつ、味を見てみましょう、   
 
             舌の上に乗せると、とろりとした食感、オリーブの味と香りがして、薄味で
 
             わらび餅の本来の味も、殺さず調和して、なめらかにのどに入っていきました。
 
             模型公園や、京都の薄味の人には良いと思いましたが、味覚の濃い、関東の人には、
 
             少し今ひとつ、工夫が必要と感じたのですが、
 
             それが何か、今は考えつきません。
 
             後日、実験して見て、何か答えが出てきたら、またお話しさせていただきます。
 
 
それでは、みなさん、良い日曜日をお過ごしください。♪                        ギッチョンパー♪