第310回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第309話  海軍兵学校 入学試験、合否発表の事    2012年12月16日 日曜日投稿です。
 
 
  兵員食堂には、正午を過ぎて、どんどんと兵士が入ってくるので、食事も済んだことだし、場所を空ける
 
ことにした。
 
  兵員食堂は、食事をする場所で、雑談する場所ではないのである。
 
外に出て、傘を差して、5月の冷たい雨の中を、掲示板がある方に、歩いて行き、待つことにしたのであった。
 
 
 
イメージ 1
 
 
               【当時の講堂  現在の体育館の様な用途の木造建物であった。】
 
 
 
しばらくすると、雨は、やんだのであるが、傘をたたんでいると、試験係の兵士が、やってきて、
 
「本日は、雨で、紙が濡れるので、室内掲示となるので、あちらの建物に行くように。」と、指示を受けて、
 
そちらにまわることにしたのであった。
 
その建物の、スノコがおいてある、土間の掲示板に、合否発表が、掲示され炊いて、自分の受験番号
 
が、あったのであるが、驚いたことに、3名の番号しか、無かったのであった。
 
千人以上、受験に来て、たった3人の中に今年も入ることが出来て、良かったと、胸をなでおろしたので
 
あった。
 
 
昼からは、作文の試験である、気持ちを切り替えて、がんばろうと自分に言い聞かせたのであった。
 
【次回に続く。】