第313回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第312話  海軍兵学校作文入学試験の事。         2012年12月19日 水曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
  「  これより、作文の入学試験を開始する。  時間は、この時計の時刻で、始める、
 
 5、4、3、2、1  試験開始。」  と、大きな声で、号令がかかったのであった。
 
  用紙を、裏返して、問題を見て、心配が吹き飛んだというか、安心したというか、
 
   問題は、こうであった。  海軍兵学校に入学して、どのような海軍軍人になりたいか、簡潔に述べよ。
 
   こう言う問題であったと思う。
 
 
 
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  解答がわからない問題を考えるのは、大変であるが、こう言う問題は、得意であった。
 
   一番上に、     「 国民の暮らしを守る、海軍軍人でありたい。」  こう書いて、
 
  理由の所には、たしか、こう書いたと記憶がある。
 
   西洋人は、武力でアジア諸国、アフリカ諸国を降伏させ、植民地都市を、築き、 現地の人々は、
 
犬、猫同然の扱いにて、 人権など、あった物では無い奴隷のような、扱いである。
 
 また、その国の鉱物資源、 女人、 子供などを、 人身売買し、 商品のごとく、あっかっている。
 
  このような、西洋諸国の現状に鑑み、 自分は、この大日本帝国の独立を護り、 天皇陛下に、
 
忠義を尽くし、 大日本帝国の、黒土、国民の生活を守る、そういう軍人になる事を、考えているのであ
 
ります。
 
 
 
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  となりの中国のように、 西洋人に麻薬を国内に、持ち込まれ、排斥しようとすると、武力で、屈服
 
され、 人々は、麻薬中毒になり、国内は分列し、群雄軍閥が、割拠し、 国は乱れるばかりである。
 
あれだけの、広い国、 国土と、兵士の数をもちながら、西洋諸国に、ぎゅうじられるのは、海軍力が
 
皆無であるためである。
 
   我が国は、四方を海に囲まれ、資源物資は、南方よりの、輸入に頼っており、 これらの輸送船の、
 
安全、 朝鮮半島への、連絡路の対馬海峡の安全確保には、 海軍力が必要不可欠である。
 
  自分は、 操船技術、航海術などを、寝る時間を惜しんで、学習収得し、 自分のため、国のため、
 
 国民のために、 立派な海軍軍人になり、海軍の一員として、立派につとめを果たしたいと考えている
 
のであります。
 
  こんな感じの文章であつたと、記憶しているのだが、今から考えると、恥ずかしいような文面であった。
 
 
【次回に続く。】