第349回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第348話  海軍兵学校 身体検査入学試験の事。     2013年1月25日 金曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 私たちは、部屋に案内されると、きょうつけの不動の姿勢で、整列したのであつた。
 
私か、1番に目をやったのは、視力検査表であった。 自分が暗記していない視力検査表が出た場合、
 
一巻の終わりであった。
 
 目を細めて、ちらりと確認すると、前回と全く同じ物であった。
 
 
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内心、やれやれや、このまま、なーんにもへませず、終わればよいがと思いながら、軍医のほうに、
 
目をやると、 机の上の書類に目を通しながら、我々の前に立って、「 あーー、本日の、午後からの
 
予定であったが、時間が、早く終わったようなので、繰り上げて、午後の予定を、午前中執り行う、
 
この身体検査は、1度行っているのであるが、間違いなどがないか、もう一度、念を入れて、おこなう、
 
各自、衣類を脱いで、順番に指示通りに、動くように、また、生徒服の採寸も、合わせて行うので、
 
そのつもりで、いるように。」と、話しがあったのであった。
 
 我々は、服を脱いで、整列すると、身長、体重、視力、とそんな順番で、検査を受けていったのであった。
 
私の視力検査の、番になったのであるが、 軍医が、細い棒で、「ここは、」と、指示すると、
 
「ろであります。」  「あーーー、ここは、」と、指示すると、「ち であります。」と言うようなかんじで、あっと
 
いう間に、時間が過ぎていったのであった。
 
 しかし、海軍というところは、何度も、身体検査を行って、念の入った、用心深い作業であったと、
 
記憶している。
 
【次回に続く>】