第361回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第360話   校長室の出来事             2013年2月6日水曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
  教頭先生は、「良く来てくれた、校長先生のところに行こう。」と、私を手招きして、廊下に出て、校長室に
 
 
歩いて行ったので、私は、その後をついて、歩いたのであった。
 
 
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            校長室に、教頭先生の後について、入ると、校長先生が、「淵田君、よく頑張ってくれた、
 
          東京帝大より難しい、海軍兵学校の一次学科試験に合格するとは、良かった。」と、
 
          声をかけていただいたのであった。
 
          校長室の、机の左前のテーブルに、座るように指示をされて、教頭先生と、校長先生と、
 
          3人で、腰をかけたのであった。
 
          私が、「実は、試験中から、兵学校の入学試験の様子を、5日間書き留めてまとめて
 
          きたのです。」と言って、教頭先生に、ふろしき包みから、書類を出して、手渡しした
 
          のであった。
 
 
 
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         「 この学校に置いていただいて、後輩が、今後、兵学校を受験するときの参考になればと
 
          考えまして、持参いたしました。」と、言うと、「そうかーー、それは、良い物を持って来てく
 
          れた。」と、2人とも、ずいぶんと、にこやかに喜んでくれたのであった。
 
         校長先生は、「淵田君、新聞記事に、君の名前が出ていたので、我々は、君が、千数
 
         百人の応募の中で、合格したと知ったのだが、大変であったろう、今後は、どうなるの
 
         かね。」と、問われたので、「 はい、2次試験が、広島県海軍兵学校であるそうで、
 
         それに合格したら、入学となるのですが、不合格になると、 入学は許可されないそうです。」
 
         すると、教頭先生が、「 ほうーーー、2次試験は、どんなことをするのか。」と、問われたので、
 
          私は、不安に思っていることを、2人の先生に正直に打ち明けたのであった。
 
 
 
【次回に続く。】