第369回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語。】
第368話 2通の電報の事。 2013年2月14日木曜日の投稿です。
田植えから、数日がたち、井戸端で、洗濯をしていると、電報配達のおじさんが、やってきたので
あった。
海軍省からかと、2通を見たら、父からと、畝傍中学からであった。
父からの電報を先に開けると、【ハハ、シカ シュジュツオワリ、 ヨウジョウ チュウ ケイカ リョウコウ
シバラク ニュウイン シンパイスルナ ヤゾウ】 と、あったのであった。
どうやら、お母さんは、大阪の病院で、手術を受けたらしい、電報によると、経過は、良好とあるので、
大丈夫のようである。
ひとつ、心配事が無くなったのであった。
もう1通は、奈良県立畝傍【うねび】中学よりの電報であった。
開けて見ると、【イソイデ、ウネビチュウガクニ、 コラレタシ。】と、あったのであった。
洗濯物をものほしに干して、 急いで着替えて、戸締まりをして、若干のお金を財布の中に入れて、
雨戸を閉めて、玄関に鍵をかけて、 葛城の家を後にして、畝傍中学に向かって、歩いたのであった。
道中の田んぼは、田植えがすんで、良い眺めであったと、記憶している。
【次回に続く。】