第549回  昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第548話  海軍兵学校 洗濯の事。 2013年8月23日 金曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
   
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  私達、第13分隊は、分隊内の井上武男生徒が、授業中、居眠りをしていたの

を監事附の下士官に見っかってしまい、 全員起立して授業を受けることになって

しまったのです。
 
 
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しばらく辛抱していると、 ラッパ信号の合図があり、 右前に着席している、首席

の入江生徒が、「 全員起立、  きょうつけーー。敬礼。」と、 号令をかけて、教官

に敬礼して、ひとまずは、授業が終わったのです。
 
 
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海軍兵学校では、1400時で、お昼の1番はじめの授業が終わり、1410時から

1520時まで生徒の自由時間なのです。
 
 井上武男君が、「みんな、すまんだっぺや。」と、ことわりを言うので、 私が、「お

互い様やがな。」と、 ニコニコしながら、話していると、 同じ分隊の、私と同じ年の、

一学年上の2号生徒の有泉 龍之介 【海軍大佐 のちの 潜水艦隊司令 】生徒

が、私達の前に来て、「 3号生徒は、全員集合。」 と、号令をかけたのです。
 
 
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 私達は、整列して、不動の姿勢で、きょうつけをすると、 今泉生徒が、「 番号。」
 
と、号令をかけると、先任の福元生徒から、 「1、2、3、ーーーーーー。」と、番号

を叫んで今泉生徒に、敬礼をしたのでした。
 
私は、心の中で、「去年入学試験に不合格になったばかりに、同い年の生徒に、

頭をさげないといかんとは、情けないこっちゃで。」と、思いながらの敬礼です。
 
 
今泉2号生徒が、「 福元生徒に、命令。  ひとつ、目的、 第13分隊の洗濯物を、

洗濯し、物干しに干して、 終了後、報告するように 。  2つ、 兵力、 淵田生徒

以下、7名を、指揮して、任務を完遂せよ。 以上 終わり。」と、命令があり、
 
私達は、上級生に、「 頭ー向け、 敬礼。」と、敬礼して、福元生徒の顔を見つめた

のでありました。
 
 
【次回に続く。】