第588回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第587話 陸軍 明石機関の秘密工作の事。 2013年10月1日 火曜日の投稿です。
【 陸軍大将 明石 元二郎 閣下 】
100万円、 戦後の昭和の55年現在の価値に換算すると、400億円程度になるのですが、
「皇帝、貴族、地主、資本家、悪徳商人などを、追放して、 みんな、平等に一緒に働いて、
利益を分配して、 みんな、幸福に暮らそう。」と、こう言う考えを、ドイツのマルクス教授が、考えて
確立したのが、 共産主義 という、政治思想でした。
明石大佐のスパイ機関は、 日本に向かうであろう、ロシアのバルチック艦隊の動勢と、ロシア
供給して、 内乱を煽動したのです。 つまり、現金や、武器と引き替えに、軍事情報を
ロシア国内から、集めて、 日本に知らせていたのです。
日本では当時、赤軍 と、呼んでいました。
【 ウクライナ 白軍 指導者 コルチャック 】
又、明石機関は、 ロシアの圧政に苦しんでいた、ウクライナ人の指導者、コルチャックに
接近し、 現金と、武器を供給したのです。
この、コルチャックの軍隊を、 白軍 と、呼んでいたのです。
このほかに、 ポーランド人の闘争グルーブの通称、青軍、 ネストル、マフノの黒軍、
ポリス、ザ、ヴィシコフの、緑軍 などにも、資金、武器を供給し、 アメリカのCIA 顔負
けの内乱謀略工作を展開し、 また、 「 地主の土地が、小作人の土地になる。」という、
デマを、 資金を使って、 広めていったのです、
これらの噂話は、 伝染病のように、ロシア全体だけでなく、ドイツ、フランス、イギリス
など、いろんな国々に、マルクスの名前と一緒に、広まっていったのです。
伊藤博文公の書いた絵図の通りに、事が進んでいったのですが、 副作用の症状が
発生したわけです。
こうして考えると、伊藤博文公と言う人は、 すごい政治家であったし、軍人でも
あったし、 明治維新の獅子で、長州人だったわけですが、恐ろしい人でもあって、
極東に、 「 平和な労働者の共産主義の国 テーヴェーエール」 と言う国が、建国すると、
西欧諸国の植民地に、伝播して、現地民の反乱が、発生することを危惧した、イギリス、
フランスは、 武力討伐を計画したのですが、当時、欧州大戦【第一次世界大戦】の
最中で、 極東に兵力を出せなかったのです。
東部戦線から、撤退し、 その兵力を、フランス方面に、投入してきたのです。
そこで、フランスとイギリスは、 イギリスと軍事同盟を結んでいた、大日本帝国に、
ティーヴェーエール共和国 討伐への出兵を外務省を通じて、求めてきたのでした。
【 本野一郎 外務大臣 】
「 日英軍事同盟の観点から、出兵すべし。」と、 外務大臣が、各方面に働きかけ、
【 後藤新平 内務大臣 】
また、 植民地政策の担当の、後藤新平 内務大臣も、 「この際、ロシアの混乱に乗じて、
軍港を制圧して、 沿海州を制圧し、ロシアからの脅威の防波堤にすべし。」と、いう主張が、
寺内内閣の、体制を占めてしまい、 反対する政府要人は、 高橋是清と、陸軍の少数派、
になってしまったのです。 つまり、「 日露戦争で借金まみれになって、どこに、軍資金がある
のか。 -40度近くなる、氷の土地を占領して、何になるのか、 農業も出来ない。」 と、
こう言う意見だったのです。
しかし、海軍は、イギリスから、陸軍は、フランスから、それぞれ兵器を買い、日英軍事同盟も、
ありまして、 軍隊で攻めることになったのです。
日本は、又々、大きな借金をして、戦争に突入していくのです。
日本の前線基地、 朝鮮半島の鎮海には、出兵する各国の軍艦が、多数集まったのでした。
参加兵力は、 累計ですが 、 アメリカ軍 7950人
イギリス軍 【インド軍】 1500人
カナダ軍 4192人
イタリア軍 1400人
フランス軍 800人
日本軍 73000人
その他 2000人
合計 約9万人
ドイツのマルクス教授が、 労働者がどうしたら、平穏で、穏やかに、豊かに暮らして
いけるかと、心を砕いた、学説は、 貴族階級、植民地支配で成り立っていた、
大英帝国の、拒絶反応につながり、 極東の大地に、戦雲がたちこめたのでした。
【 陸軍元帥 寺内 正毅 内閣総理大臣 】
めぐらしていくのです。
この、寺内総理は、 のちの、大東亜戦争の推進者、 寺内寿一陸軍元帥のお父さんで、
明治維新以後、 親子で、陸軍元帥になったのは、 寺内家 だけでした。
これを、 戦後の学校の教科書では、 シベリア出兵と呼んでいるのです。
大正時代の国民は、軍人による、国民をかえりみない政治で、随分と経済的に困窮し、
ついに、国内暴動に発展していくのです。
テーヴェーエール 共和国との戦争が、 日本の挺進工作活動で、始まったのでした。
【次回に続く。】