第612回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第611話 レーニン暗殺未遂事件の事。 2013年10月25日金曜日の投稿です。
大正7年 8月30日のモスクワ市中で、 庶民に共産党の方針を、語って、庶民を煽動する
2発命中し、血を吹いて倒れたのでした。
記録によると、 撃ったのは、貴族階級出身の女性で、ファーニァ、カプランという、
とあるのです。
レーニンは、口から血の泡を吹いて、倒れて、ひこずるように、演壇からおろされ、
近くの施設に、担ぎ込まれたのですが、医師を信用していなかったのか、次の攻撃を恐れて
共産党の建物を経由して、自宅に運ばれ、そこで医師の診察を受けたそうですが、肩と、右肺
に、銃弾を受けて、体内に入っていたのですが、医療水準の低い、当時、手術は危険と
判断したようで、止血して、横になって、そのままと言う状態であったそうです。
つまり、肺と肩に、鉛の銃弾がめり込んだまま、 寝たきりとなったのでした。
ファーニァ、カプラン という、女人を、逮捕し、 3日後の9月4日に、人民裁判もせずに、処刑
してしまいます。
現在の、ロシアの歴史学者の中では、 この女性は、犯人ではなく、無理やり逮捕されて、
犯人として、でっち上げられ、殺害されたのではないかという学説があって、根拠は、実は、彼女は
盲目の女性であったそうで、 「目の視力がない人が、どうして、射撃が出来るのか。」と、疑問が
最近の研究で、出てきたのです。
いそいで、事件を終わらそうとした、トッロッキーが、黒幕ではないかと、最近では考えられて
いるようです。
昏睡状態から、気がついたレーニンが後から、女性犯人の処刑を聞いて、なぜ背後関係を
調べずに、処刑したのか、不満を述べたそうですが、 この暗殺事件の背後関係は、闇のまま、
葬られ、また、 レーニンが倒れて、重傷であることが知れると、 一斉蜂起が起きる可能性が
あり、 対外的に、弱みは見せられないので、レーニンは元気と言うことして、病状は伏せて
極秘にされたのでした。
合議で、 物事が進められていくようになるのですが、 権力欲に染まった狼の群れのように、
グループに分かれていきます。
事実上、 ナンバー2 の立場であった、 副首相兼外相の政治局員 レオン,トッロッキー
の共産党の主流派と、 内務大臣的な事をしていた、 政治局員 アレクセイ、ルイコフを
病室の連絡役にしたのでした。
つまり、 レーニンは、トッロッキーや、 ルイコフは、 力がありすぎるので、便利のよい、
利用して、おのれの政治的力を伸ばしていくのに、利用するようになっていったのでした。
チェッカーを総動員して、 事実究明することを、病床から命令し、 秘密警察のチェッカーの
支配監督を、スターリンにさせるのです。
犯人は、トッロッキーが、既に裁判もせず、取り調べもせず、処刑して、手がかりもなかったのですが、
逮捕して、 処刑していくのでした。
ソビエト共産党の、黒い権力闘争は、 スタートが切られたのでした。
そのような中、 シベリア鉄道で、一人の日本人神父が、 子供たちをつれて、鉄道を
強制労働収容所や戦争に巻き込まれて亡くなり、 孤児になって、 大変な思いをしていたのですが、
電信で、 泰平組合 ウラジオストック支店の 三好支配人事、 三好宏明中尉は、指示通り、
世界各国の新聞記者を集めて、プラットホームに待機していたのですが、 子供らを記者に紹介し
たのです。
高柳少将は、顔写真を撮影されると、任務に支障が出るとのことで、 西本願寺 浦潮教場の
大田覚眠師に、世話役を変わり、 子供たちを、西本願寺浦潮分教場に保護されたのでした。
三好中尉が、「 閣下、思惑通り、新聞記者共が、 孤児の記事を世界に配信し、 この度の
出兵の目的が、宣伝されて、 陸軍参謀本部でも、満足していただけるでしょう。」と、声をかけると。
高柳少将は、「 三好、 言葉は通じなくても、手招きで、食べたり、便所のそぶりをすると、
通じる物で、 この度は色々と、 得る物が多かった、 これから忙しくなるぞ。」と、三好中尉に
語りかけたのでした。
【次回に続く。】