第796回 輸送艦おおすみの接触事故を考察する。

みなさん、こんばんは、模型公園です。          2014年1月18日土曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
         今日の模型公園の家の近くは、晴れ時々曇りで、寒い1日です。
 
 
 
 
                        【 永田町二丁目の風 】
 
 
 
 
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    この永田町二丁目の風のコーナーは、僕の考えを簡潔にお伝えするコーナーです。
 
    転載可能な設定にしてありますので、 コピーしていただいても良いですし、国民の一人として
 
    時間があったら、考えていただけたらと思います。
 
 
 
            
 
            
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                           【 輸送艦 おおすみ 】
 
 
 
         数日前、海上自衛隊 第1輸送隊の輸送艦おおすみと漁船との接触事故があり、
 
         2名の水死者が発生した事故があったのは、報道の通りです。
 
 
 
             今日は、なぜこんな事になったのか、考えてみたいと思います。
 
 
 
 
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                          【  おおすみの船首 】
 
 
          通常ですと、 水上レーダーを使用しながら、船舶の位置を把握して、衝突
 
          しないよう、艦を操舵していきます。
 
 
 
 
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           艦橋には、左右に、一般の家庭で言えば、ベランダのような、張り出しがありまして、
 
 
 
 
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                       【 輸送艦 おおすみの、ブリッジ内 】
 
 
           当日、当直の一等海尉から、三等海佐までの当直士官が、中央に陣取りまして、
 
 
           艦橋内は、第2分隊 船務科の隊員が、操舵作業に当たります。
 
 
 
 
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             左右のベランダには、海士長クラスの見張員が、だだ愚直に、視認した物を
 
             艦橋の当直士官に報告するわけです。
 
             例えば、「 右ふたじゅうど、 距離500 漁船有り。」こんな感じです。
 
  
 
 
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          又、水上レーダーの担当者も、周囲の状況を、愚直に、当直士官に報告します。
 
 
 
 
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        それらの情報を頭に入れ、 中央の当直士官は、 操船の命令を出すわけです。
 
 
         「 速力減速、  面舵ーーー。」と、こんな感じで叫ぶわけです。
 
 
         1番右端の赤いイスが、艦長席で、 在席している時もありますが、不在の場合も
 
 
         あります。 
 
 
 
 
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          そして、後方に配置する、海曹クラスの操舵員は、愚直に、 命令を口頭で、
 
          再度、大きく叫んで、 愚直に、舵をまわして、 命令が機関室に伝達され、
 
          機関長に伝わり、 増速、減速、 左右の操舵をする事になっています。
 
         そういうわけで、船の船体が、動くのに時間がかかるのです。
 
 
 
 
 
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           今回の事故の船の比較ですが、おおすみが、全長178メートル、
 
           転覆した漁船が、全長7メートルと言いますので、比較すると上の様になります。
 
 
 
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                         ずいぶんと、大きさが違います。
 
 
 
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          呉を出て、しばらくして、右斜め前方方向に、問題の漁船を視認して、速力の早い
 
 
             
 
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        おおすみが、追い越していったようです。  そして、船乗りの人は常識なのですが、
 
        船が通過すると、左右に波が立ちます。 大きな船ほど、大きな波が立ちます。
 
 
 
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          それを避けようとしたのか、 左に舵を切って、 後ろに回ってしまい、海上自衛隊
 
          のおおすみの見張り員の死角に入り込んでいったようです。
 
          つまりですね、 艦に近すぎて、レーダーの担当者にも、映らない、 左右の見張り員
 
          にも見えない、そういう部分に、漁船が自ら入って行ったわけです。
 
          右に舵を切って、おおすみから離れていったら、事故は無かったと思います。
 
 
 
 
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       さらに、運が悪いことに、漁船が見えないので、 目標方向の岡山県玉野方向に
 
       おおすみが、左に、舵を進路変更します。
 
       すると、横から大きな船体が、どんどん迫ってきて、 あっというまに、接触したようです。
 
 
 
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         いろんな情報を、総合すると、こういう感じになって、この時点で、左弦の見張り員
 
 
         からは、全く見えない、死角になっていて、 気がつかないまま、左からの接触
 
         を受けて、左方向に、 漁船が転がるように、転覆したというのが、顛末のようです。
 
 
 
 
 
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      そして、見えないので、しばらく東に進んで、後方に転覆した漁船を発見し、急停止して、
 
 
 
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            「 非常警報発令、 漁船と衝突、 救助船、出動せよ。」と、 当直士官が
 
            命令を発令し、艦長に報告したのだと思います。
 
 
 
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          海上自衛隊では、常日頃、こういう衝突を想定した、救助訓練を行っていて、
 
 
          5分程度で、ランチを降ろして、 訓練されたダイバーなどが乗り込んで、
 
          救助に当たります。
 
 
 
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          真冬の海に投げ出されると、15分程度で、浮いている人も、沈んでしまいます。
 
 
 
 
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          今回の事故では、漁船側が、救命胴衣を法令に反して、着用せず、
 
        着の身着のままで、冬の海に投げ落とされ、 溺れてしまうと言う状態になったようです。
 
 
 
 
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           通常の訓練では、10分程度で終えるよう救助活動を訓練しているようですが、
 
           今回は、人数も多く、少し時間がかかったようです。
 
 
 
 
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         今回、衝突したのが、海上自衛隊の船であったので、短時間で救助され、2名の
 
 
         死者ですんだようですが、 他の外国船籍のタンカーなどですと、冬の海のため、
 
         全員水死していたでしょう。
 
         真冬の海は、水温が低く、恐ろしいのです。
 
 
 
 
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          このおおすみという艦艇は、海上自衛隊の艦船の中では、8900トンと、
 
 
          大きなタイプですが、一般貨物船と比較すると、ずいぶんと小さいのです。
 
 
          10万トン、20万トンの タンカーに比べると、 随分と小ぶりです。
 
 
 
           事故の原因は、漁船の船長の、 物を知らない、操舵に原因があります。
 
          物を知らないというのは、大きな船を操船したことがないので、船の見えない
 
          部分が、わかっていなくて、 そこに自ら入って行き、 事故になったとしか
 
          言いようがない、そんな事案です。
 
 
 
 
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         例えば、バスや、トラック、タンクローリーなど、信号待ちで停車していて、左折の
 
 
         ウインカーが出ていたとします、知らない人は、バイクや、自転車で涼しい顔で
 
         左側面に停車する人がいます。 そして、トラックの運転手が気がつかずに、
 
         信号が青になって、左にハンドルを切ると、あっというまに、トラックの後輪に、巻き込
 
         まれる、 こう言う事案になっていき、多くの交通事故が起き、 自動車学校でも、
 
         映像を見せて、注意を呼びかけています。
 
 
         こういう、映像を、漁船の船長が、見ていたら、 今回の事故は無かったと思います。
 
 
 
 
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   おおすみ型、ひゅうが型、いずも型は、 全通甲板と言って、艦橋が右側によっているので、
 
   左側の左弦の特に、艦のすぐ横は、 艦橋の左弦ベランダから、見えないのです。
 
 
      「 あの人が悪い、 僕は、悪くない。」 と、言う人は、同じ事故を何度も起こします。
 
 
     2度と、同じ事故が起きないようにするには、どうしたらよいか、 海上自衛隊では
 
     全通甲板の護衛艦輸送艦の左弦に、モニターを設置して、艦橋内で画像を把握する
 
     装置の取り付けを検討してみたらと思いますが、波しぶきがかかる場所でもあり、
 
     関係者で、よく検討して、再発防止の議論してみる必要があると思います。
 
 
 
 
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          国土交通省は、 4級船舶以上の免許保持者に、数年で一回程度でよいので、
 
          最寄りの海上保安庁、及び、警察署の会議室でよいので、このような事故の
 
          事案を紹介し、 事故防止の講習を、行って行くべきだと考えます。
 
 
 
 
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          大きな、タンカーのような船が通過すると、左右に波が出て、この波で転覆する
 
          と言うこともあります。
 
          又、大きな船舶は、車と違って、 すぐ停船することも出来ず、 大変難しいのです。
 
          このような事情を知らない、小型船舶が、 周囲に接近してくると、イライラして
 
          神経をすり減らす事になります。
 
          以上のようなわけで、 海難審判で、司法が、判断することですので、これ以上
 
          どうのこうのというのは、控えますが、 大型船の特徴を知らないから起きた
 
          海難事故と言っても良いと思います。
 
 
          2名の人が、お亡くなりになり、大変残念な事故でした。
 
          救助が遅かったら、真冬の海のため、全員死亡していたでしょう。
 
 
          以前も紹介しましたが、「大きな船舶には近づかない。」 そして、
 
          「大きなバスやトラックの横に、自転車や、バイクで近づかないようにする。」
 
          大切な事と、思って、頭の隅に置いていただくと、良いと思いました。
 
 
 
 
 
         国民のみなさんには、日常、自分の物差しで、大きな船、トラックなどの事を
 
         考えず、 相手の立場で、物を考えて見る、 近くに近寄らない、ある程度の
 
         車間距離の様な距離を開けまして、 自転車、バイク、小型船舶など、操作
 
         していく、心がけを持つことが必要で、政府は、これらの事を、内閣府か、
 
         国土交通省でよく、国民に広報して行き、事故防止に努める必要があると
 
         考えています。 
 
 
 
 
 
 
 
 
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        今日のおやつの紹介です。   今日は好みのティーセットで、楽しんで見ることに、
 
 
 
 
 
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           このケーキね、158円だったのです。 なかなか美味しいのですよ。
 
 
 
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         僕は、甘いショートケーキが好きでね、 ストレートの砂糖を入れない、紅茶で
 
 
         時々、好みのティーセットで、紅茶を入れて楽しむのです。
 
 
 
 
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               どこかの、貴族になつた気分で、 紅茶をいただきます。
 
 
 
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                         今日も美味しい、おやつでした。
 
 
 
それではみなさん、良い土曜日の夜をお過ごしください。            ギッチョンパー♪