第805回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第804話 海軍兵学校 算術の考査の事。 2014年5月6日 火曜日の投稿です。
なんとか、平面幾何の考査の問題の解答を埋めまして、提出し、考査は終わったのです。
夕方、入浴の前、 中庭で生徒同士で雑談していますと、 出来の悪い生徒は12月後半に
風呂場で、ある先輩の2号生徒に、 冗談と思いますが、「 浪人生から首にする
らしい。」などと、 そんな話をされる物ですから、 ぐっと、胸に突き刺さったのでした。
以前紹介したように、海軍兵学校という所は、年齢には関係なく、下は17歳程度から
入学が許されていて、 しかしながらほとんどが18才の入学者で、若干19才、が
ちらほらいるわけでして、 私のような浪人生は少数派で片身が狭いのです。
それが、同じ年の2号生徒に、そのような事を言われますと、 ぐっと、引け目というか
肩身の狭い思いをしたのでありました。
私は、 「明日は、明日の風が吹く。」と、こんな考えで、次の日を迎えたのです。
翌日の大正10年12月12日火曜日は、朝から曇り空で、小雨がぱらつくお天気でした。
朝の0810時より、 算術の考査がはじまったのです。
全体で8問、 制限時間4時間 わり算をしますと、1問当たり30分でやればよい
わけのです。
【 1 】 華氏ノ寒暖計ハ氷点ヲ三二度トシ沸騰点ヲ二百十二度トス又摂氏ノ寒暖計ハ氷点
ヲ零度トシ沸騰点ヲ百度トス人体ノ温度ハ摂氏ニテ三十七度ヲ常トス然ラパ華氏ニテハ
何度ニナルカーーーーーーーーー。
はじめは、温度計の問題でありました。
当時の算術の問題は、 このような文章形式の問題が多かったのです。
この二番の問題などは、分数の問題ですが、戦後の数学の課目の問題によく似ています。
あとは全部、文章のひねった、読み取りの算術の問題で、 得意でない
課目はどうもいけません。