第916回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第915話 海軍兵学校エドワード皇太子殿下の江田島到着の事 2014年8月25日月曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
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     私達が、江田内の湾内で、ランチで隊列を整えていた頃、 海軍兵学校の通用門
 
 
では、 呉から来賓で来られた、呉鎮守府の高級将校や、広島の西部軍司令部の陸軍の
 
高級将校が来賓でお越しになり、 その他、呉の停泊中の艦艇から、続々と、普段お話が
 
出来ないような、 階級の高い海軍将校が、 江田島海軍兵学校に、押し寄せるように
 
お越しになったのです。
 
 
 
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  中には、 広島の政財界の身元調査して問題なしと判断された、議員の人達や、 いろんな
 
人が、招待されていたようですが、 一般の人は残念ながら入れなかったようです。
 
  ただし、 兵学校に勤務している民間職員の家族などは例外でして、 身元も、保証人も
 
確かと言うことで、 参観が許されたようです。
 
 
 
 
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       そんな、兵学校内の、混雑とは、距離を置いて、江田内の湾でプカプカと停泊して、
 
      ゆらりゆらりと、座って揺られていた私達は、 渥美生徒が、「 あのさー、淵やん、
 
      英国の皇太子とかの船はさーーいつ頃こちらにつくんだい。」と、 質問するので、
 
      私が、「 そうやなーー。」と、 言っていますと、 「 ぴぃーーーーーーーっ。」と、
 
      分隊伍長殿が、 笛を吹かれまして、「まもなく、先導艦 駆逐艦が入港スッ。」と、
 
      大声で叫ばれたのです。
 
 
 
 
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         見ると、微速前進で、 甲型駆逐艦が粛々と江田内に入ってきまして、 続いて
 
         どうみても、外国の近代的艦艇が、2隻 つづいて、縦従陣で入港してきたのです。
 
 
         私は、「 ほうーーーーあれが、大英帝国の軍艦かいな。」と、 まだ姿が小さい
 
         巡洋艦を眺めたのですが、 どんどん近づいてきまして、 その姿に私は驚いた
 
         のです。
 
 
 
 
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      私達はその当時、外国の艦艇を見るのは初めてであったのですが、印象に残って
 
     いるのは、 砲塔に、砲身が3門あることでして、 日本海軍の砲身が2門という、
 
     常識と考えていた私達は、驚愕したのです。
 
     
 
 
 
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           そして、2隻目の巡洋艦も入港し、 見物していると、 砲身が上に上がっていき、
 
          「 3門の砲ちゅーーんは、 すごいもんやなーーー。」と、 周囲の生徒と、嬉し
 
          そうに雑談していると、 艦橋で、乗組員が旗を振ると、 「 ズカッーーーーーーンッ、
 
 
          ズカッ、ズカッーーーーーンッ。」と、砲身から、白い煙が、わき上がりまして、江田内に
 
          祝砲の音が鳴り響いたのです。
 
          祝砲は、全部で、15回程度ですか、 もう少し鳴っていたかも知れませんが、
 
          私達は、驚いた表情で、 初めて見るイギリス帝国海軍の巡洋艦2隻を眺めていた
 
          のでした。
 
 
 
【次回に続く。】