第1036回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1035話 同期の年上の優秀な生徒の事。
2014年12月23日 火曜日の投稿です。
自分が海軍兵学校に入学して在校していた大正11年当時、 第52期10人衆
と呼ばれた出来の良い年上の生徒が、考査【戦後の学力試験の事】の度にしの
ぎを削りあい、お互いが切磋琢磨し、訓練に励んでいたのです。
入江 壽直 鳥取県出身
内田 成志 熊本県出身
白濱 栄一 鹿児島県出身
有馬 純一 鹿児島県出身
有馬 高泰 鹿児島県出身
この5名の生徒が、 いつもトップ争いをしていました。
続いて、次のグループを形成していたのが、 次の同期の生徒で、
内藤 雄 山形県出身
塚田 収 東京都出身
鈴木 武 神奈川県出身
長井 弘介 福岡県出身
以上、5名が、上に上がったり、 下に下がったりしていたのです。
いましたので、非常に、入学希望者が多く、難関で倍率が高かったのです。
大正10年の第52期の入学試験で、 概算で300人、全国の都道府県の
数で、単純にわり算すると、各県とも数名と言う事になり、 広島県が附属
中学的な学校が存在し、毎年10数名近く合格していましたので、 それを
差し引くと、 一県あたり2名前後 程度でしょうか、県によっては、0名の採用
無しの県もありました。
自分は、入学して、同期の年上の生徒を観察して,研究していくことに
なるのですが、 どのようなスポーツでも、 あるいは、勉強でも、人の動きを
見学して、 分析していく能力のある生徒は、時間がかかっても、前に出て行く
能力が備わっています。
例えば角力【戦後の大相撲の事】ですが、 強い生徒を、自分とどこの違いが
あるのか、じっと見学して観察するわけです。
「 どこが違うのかーー。」 よく見ると負ける生徒は、前と後の動きしかして
いないわけです。
角力に強い生徒は、 右や左に体をさばいて、 相手の横から攻めるわけです。
足の運びはどうか、 張り手の出し方はどうかと、 つぶさに見て観察するのです。
ここを、 ぼやっとして、ただ眺めている人と、 観察して自分に取り入れていく人
では、日数が経過すると大きく差がついていくわけです。
つまり、「 絶えず、上手な生徒を観察して、自分の不足している部分を
改善していく。」 こう言う事が重要であります。
とにかく、よく見て、研究する心がけを大切にすることが大事なことです。
これらの生徒の共通点は、 絶えず健康に注意を払っていました。
特に、視力ですが、 海軍の場合、 当時は 電探【レーダーの事】もありませんし、
敵の発見は昼夜を問わず、視力に頼っていたのです。
学問をすると、目の視力が落ちる人が多いのですが、ある方法を知り、 それを
心がけて行くと、視力が悪くなることはないことに気がついたのです。
また、人間には回復する力があり、悪くなっても 時間がかかりますが元に戻るの
です。
自分は、60歳になっても、 肩がこることもありませんし、老眼にもなりませんで
した。
これらの事は、常日頃の心がけ次第というわけです。
自分は、大正時代からいずれは、航空屋に進もうと考えていたので、視力に
ついては大変当時から気を配り、海軍時代も、航空自衛隊時代も、あることを
心がけていたのです。
【明日に続く。】