第1100回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1099話 陸軍士官学校 校長の江田島来訪の事。2015年2月25日水曜日の投稿です。








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                【  大正時代の 江田島海軍兵学校 】



     
     大正12年3月1日 木曜日は、随分寒い日で、 海からの冷たい潮風に乗って、


     粉雪が舞うような,そんな寒い日でありましたが,早朝から、ボートの訓練などが


     空が暗い頃からあって、 寒い中 訓練に励んだのです。




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  ところで、 午前中は学科の授業があるのかと思っていたのですが、 どういうわけか、


  体格検査というのがあって、 寒い中、 上着を脱がされて、軍医殿の身体検査があり、




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  今度は、昼前からは、 東京の海軍軍令部に、教官、監事の 藤澤 海軍中佐殿が、

  転勤されることになり、 裏の通用門に、お見送りすることになったのです。





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     藤澤 海軍中佐のご婦人は、当時、 大きなお腹の妊婦さんで、この寒い中、

     鉄道で揺られて、 東京に行かれると聞いて、 心の中で「 大丈夫であろうか。」

     と心配したのです。



    そして、午後、 どういうわけか、全校一斉清掃の命令が発令され、 寒い中、


    手洗いから、練兵場まで、念入りに清掃をさせられたのです。





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 通常は、 土曜日の午後に 大掃除があるのですが、 木曜日に掃除が繰り上がる

というのは、だれか、偉い人が来られる前か、 なんらかの行事の前に、大掃除が

行われる事が多く、自分達の分隊の中では、 みんな 頭の中で、 口には出さず

そんな事を考えていたのですが、 軍隊という所は、事前に目的などの説明などはなく、

海軍生活に慣れてきたというか、 命令を着実に遂行するのみで、 寒い中、校内の

清掃に励んだのです。



        
        

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    そして、翌日の大正12年 3月2日の金曜日の朝の訓示で、 もう一度念入りに、

    午前中、大掃除をすることと、 午後から、陸軍士官学校の校長先生が、 我、

    海軍兵学校に講話をしに訪問されるという伝達があったのでした。

    海軍兵学校と 陸軍士官学校は、当時の学生の垂涎の的の学校であったのですが、

    どんな校長先生の陸軍軍人の将官が来られるのか、 随分楽しみに思ったのです。




       【次回に続く。】