第1212回 昭和の伝道師 【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1211話 関東大震災 報道規制の事。 2015年6月27日土曜日の投稿です。





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  【  関東大震災当時の 陸軍 姫路第10師団長 宇垣 一成 陸軍中将 】   





       宇垣陸軍中将は、「まずは、戒厳令を利用して、時を稼ぎます。

      いずれ新聞記者の知る所となり、陸軍が いたいけのない米国籍の

      子供まで抹殺したとなると、 遠くアメリカなどにも非難の嵐がおこるで

      ありましょう、 一週間程度でも 時間がほしいところであります。




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      【 東京憲兵隊に殺害された、米国籍の 橘 宗一 君 当時6才 】


     まずは、 報道規制を行い、事件を内密にして、 物事を数日進めます。

      福田 戒厳司令官には、お気の毒ですが 司令官を更迭し、

      そして、小泉 憲兵隊司令官 も 更迭、 小山 東京憲兵隊 隊長

      も 更迭します。」 と 言うと、 静かに聞いていた、 白川 陸軍次官が、




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        【  関東大震災当時の陸軍次官 白川 義則 陸軍中将  】 


     「  福田陸軍大将を 待命にして、 後任は誰にするのか、 下の参謀長

      の阿部 信行 は、陸軍少将、 法律には、戒厳司令官には、陸軍大将

      または、 陸軍中将のいずれかをとあり、 事務屋の阿部では、荷が重い

      ではないか。」 と言うと、  宇垣 陸軍中将は、 「 先の陸軍大臣

      で軍事参議官の 山梨 半造 陸軍大将 を後任に据えます。」と言うと、


      白川 陸軍次官が、 「 山梨閣下が、 戒厳司令官を受けるかな。」と、

      心配そうな顔つきで 語ったのです。

      すると、宇垣 陸軍中将は、「 必要なら自分がおもむきまして、説得いた

      します。  憲兵隊司令官には、 現在 第1旅団長の 柴山 重一 陸軍

      少将を後任に据えます。」 と言うと、  田中 義一 陸軍大臣が、

      「 我輩もよく知った男であるが、 推薦の理由は。」 と問うと、宇垣 陸軍

      中将が、「 先のシベリア出兵では、 浦塩憲兵隊司令官を無難に務め

      また、 我々の側の人間ですので、 こちらの方針通り動いてくれる

      人物で、 全国各地の憲兵隊司令部を 今後把握するには適任と

      判断します。」


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      田中 陸軍大臣が、「 でっ、 東京憲兵隊の隊長の後釜は、誰にするのか

      ここが、この度の事件の事後処理の要のポストである、 普通のやつでは

      まずいがーーーー。」 と、言うと、  宇垣 陸軍中将が、 「 陸士 12期の

      三宅 篤夫 陸軍大佐を 後任に推挙します。」

      


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  【 関東大震災当時 東京憲兵隊 隊長に推挙された 三宅 篤夫 陸軍大佐 】



      と言うと、 白川 陸軍次官が、 「 台湾憲兵隊の隊長をしていた男で、

      現在は 憲兵隊司令部附 で、 憲兵学校では 首席で卒業した、

      憲兵屋のオンリーの人物であります。」 と言うと、 田中陸軍大臣が、

      「 あーーー、あの男か、よかろう、 よし、 それでいこう。」 と言うと、

      宇垣 陸軍中将が、 「  まず、 山本内閣総理大臣に 報告の後、

      牧野 伸顕 宮内大臣に事情を話して、 宮城の摂政裕仁殿下に、

      事件を奏上し、 密かに、 関東戒厳司令官を 交替させ、 同時に

      憲兵隊の人事も、陸軍参謀本部に図ることなく、河合参謀総長

      上原元帥らには伏せたまま隠密に実行します。」 と言うと、



      
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       田中 陸軍大臣は、 「 よし、 我輩はこれから、山本 権兵衛 

      内閣総理大臣 に事態を説明してくるので、 白川 貴様は、牧野

      宮内大臣の所におもむいて、 根回しを頼む、 宇垣、 貴様は、

      我輩の代わりに、 山梨の所に行って、 戒厳司令官 就任の

      根回しを頼む。」 と言って、 陸軍省は 事態の収拾に動き出した

      のです。


      【 明日に続く。】