第1336回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1335話 農業用殺虫剤の事。 2015年10月28日水曜日の投稿です。





        

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      1914年 大正3年の秋から冬にかけて、当時のドイツのガソリン車の

     ガソリンや、エンジンオイルが凍結して、 トラックの故障が続出していき、


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      新しい輸送手段として期待された、ガソリン車は動かなくなっていった

      のです。


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      そこで、 当時のドイツ在住のユダヤ人研究者のフリッツ フーバー博士

      が、 凍結しない 凍結防止剤を研究することになっていったのです。

      ドイツ側の要望としては、 ガソリンや、オイルに、この凍結防止剤を

      添加することで、 ガソリン、オイルが 凍結せず、なおかつ、性能が

      低下せず、 エンジンのシリンダーの中に、異物が残らない液体を

      考え出すことが求められたのです。


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       ちょうどその頃、 フランスに入り込んで諜報活動していた工作員から

       フランスで大量殺戮兵器が開発研究されているという情報がドイツ側に

       もたらされたのです。


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       当時、 大砲を撃ち込んでも 塹壕という陣地に、機関銃と歩兵が

       防備を固め、 お互いが向き合って、 前進できないという戦況で

       ありました。


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       ここに 農業国 フランスが考え出したのは、 農作物に使用する

       殺虫剤の強化した 毒素の強いものを研究しているという話で



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         フランスのナンシー大学の教授 ヴィクトル グリニャール教授の

         研究チームが、精力的に取り組んでいるという情報であったのです。



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        フランスは、 後方から、砲兵隊によるこの新型砲弾でドイツ陣地を

        砲撃して、 ドイツ陣地内のすべての兵士を麻痺させて、 突破して

        ドイツ国内に進撃しようと計画していたようです。


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        このような情報から、ドイツ側では、 ドイツも毒ガス兵器を開発する

       べきだと言う意見が主流となり、 フランス側が使用してきた場合の


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       その対策、 そう言う兵器の開発を フーバー博士に依頼することに

       なっていったのです。



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         アインシュタイン博士が、天才科学者と評価していたフーバー博士

        は、 自分はドイツ人だと思い込み、 ドイツのために智恵を搾った

        ようですが、 ドイツ政府から見ると、 ユダヤ人の外国人扱いで

        ユダヤ人を利用していたようです。

        1915年 冬、  フーバー博士は、以前農作物の殺虫剤を研究して

        いたようで、 彼は その考え出した化学殺虫剤を使って 実験を

        開始したのです。



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      フーバー博士が 農業用殺虫剤で考えていたのは、 炭素を使用し、

      酸素と塩素を掛けあわせて、 化学反応させるという、 当時の普通の

      人には考えつかない、 化学的なガスであったのです。

      これの報告を聞いたドイツ側では、 この殺虫剤のガスを砲弾の中に

      密閉し、 発射のあと、 敵の陣地に飛んでいって 炸裂するよう


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         実験を開始していったのです。

         ところが、 技術水準の低い当時、 ガス漏れをおこしたりして

         このガス砲弾の実験は、なかなかうまくはいかなかったようです。


         このような経緯で、 毒ガス兵器の原点は、 農作物に附着する

         昆虫を除去する、 農薬というか 殺虫剤が原点となっていったの

         です。


     【 明日に続く。】