第1363回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1362話 ドイツ外務省電報事件の事。 2015年11月25日水曜日の投稿です。




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    当時も現在も同様なのでありますが、電波によって情報を送信すると、

どうしても、その電波を傍受、受信する 不特定多数の人達に、その内容が知ら

れる事になっていくのです。

そのような訳で、当時ドイツでは数字による暗号を考え出し、 その暗号でいろん

なやりとりをしていたようです。

1916年後半、 ドイツ政府は、アメリカと国境を接する メキシコ政府に対して

ドイツ外務大臣  アルトゥール ツィンメルマンの名前で 極秘電報を送信したの

です。

 ところが 当時この内容が、イギリス情報部によって解読されることになったの

です。

その内容とは、 メキシコがドイツ政府と軍事同盟を結んで、アメリカに対して

戦争を始めたら、 ドイツは全面的に支援し、 テキサス、ニューメキシコアリゾナ

などに攻め込んでほしいという、そういう内容であったそうです。



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 当時、メキシコ政府は、アメリカとの戦争に負けて、 テキサス、アリゾナなどを

アメリカに奪われた形となっていたのですが、 これを利用して、メキシコとアメリ

の戦争を誘発させ、 アメリカのヨーロッパへの派兵を、出来なくしようという謀略

であったという説と、 イギリス政府が意図的に流した、 デマであったという説が

あるのですが、年が変わって、1917年の1月中旬、 アメリカの新聞に、この

ドイツの援助で、メキシコが攻めてくるかも知れないと言う記事が掲載されると

アメリカでは大きな衝撃が走ったのです。


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   そして、 ドイツの潜水艦が、アメリカの商船を撃沈して、アメリカ人が死んだ

と言う報道が繰り返されることで、それまで中立という事を堅持していた、アメリカの

上下両院では、 多くの議員がドイツ武力討伐に傾いていったのです。



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  1917年 アメリカのウォール街ユダヤ人金融組織の根回しや、 メキシコ

  に対して ドイツが戦争をけしかけているらしい。と言う 秘密電報事件や、

  ドイツの潜水艦による、無差別商船攻撃事件などで、アメリカの議会は、

  ドイツに対して、 武力制裁を加える法案を賛成多数で可決したのです。

  


   しかし、 後年の研究では、メキシコ政府はアメリカに対して戦争などは

  仕掛けなかったし、 当時 少数部族による武装蜂起があったようですが、

  メキシコ政府が支援していたと言う事もなかったようです。

  もしかしたら、アメリカの議会は、イギリス情報部の謀略に載せられたのか

  もしれませんが、真相は闇の中です。


   【明日に続く。】