第1363回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1362話 ドイツ外務省電報事件の事。 2015年11月25日水曜日の投稿です。
当時も現在も同様なのでありますが、電波によって情報を送信すると、
どうしても、その電波を傍受、受信する 不特定多数の人達に、その内容が知ら
れる事になっていくのです。
そのような訳で、当時ドイツでは数字による暗号を考え出し、 その暗号でいろん
なやりとりをしていたようです。
1916年後半、 ドイツ政府は、アメリカと国境を接する メキシコ政府に対して
ドイツ外務大臣 アルトゥール ツィンメルマンの名前で 極秘電報を送信したの
です。
ところが 当時この内容が、イギリス情報部によって解読されることになったの
です。
その内容とは、 メキシコがドイツ政府と軍事同盟を結んで、アメリカに対して
などに攻め込んでほしいという、そういう内容であったそうです。
の戦争を誘発させ、 アメリカのヨーロッパへの派兵を、出来なくしようという謀略
であったという説と、 イギリス政府が意図的に流した、 デマであったという説が
あるのですが、年が変わって、1917年の1月中旬、 アメリカの新聞に、この
ドイツの援助で、メキシコが攻めてくるかも知れないと言う記事が掲載されると
アメリカでは大きな衝撃が走ったのです。
と言う報道が繰り返されることで、それまで中立という事を堅持していた、アメリカの
上下両院では、 多くの議員がドイツ武力討伐に傾いていったのです。
に対して ドイツが戦争をけしかけているらしい。と言う 秘密電報事件や、
ドイツの潜水艦による、無差別商船攻撃事件などで、アメリカの議会は、
ドイツに対して、 武力制裁を加える法案を賛成多数で可決したのです。
しかし、 後年の研究では、メキシコ政府はアメリカに対して戦争などは
仕掛けなかったし、 当時 少数部族による武装蜂起があったようですが、
メキシコ政府が支援していたと言う事もなかったようです。
もしかしたら、アメリカの議会は、イギリス情報部の謀略に載せられたのか
もしれませんが、真相は闇の中です。
【明日に続く。】