第1366回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1365話 米軍と連合軍の対立の事  2015年11月28日土曜日の投稿です。




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    1917年の4月後半から始まった、 ドイツ軍と、オーストリーハンガリー帝国

  の合同による、大攻勢、 通称、ミハイル作戦によって、 イギリス軍、カナダ軍

  などが戦う、ベルギー方面と、 フランス軍が主力を置く、フランス国境の中央部を

  ドイツ軍が、 ハーバー博士の考案した、マスタードガスという、 防毒マスクをして

  いても役に立たないという、やっかいな毒ガスをどんどん砲弾で撃ち込んで、



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     進撃していき、 7月の夏場には、戦線が崩壊し、いよいよ降伏かという

     そういう時に、 アメリカ軍の先遣隊が フランスに上陸を開始したのです。


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       当時 連合国の最高司令官は、フランスのフォッシュ陸軍大将で、

      彼は、アメリカ軍に対して、 戦線が崩壊した部分に、アメリカ軍を複数に

      分けて配置して、 防衛にあたるよう命令を出したのですが、フランスに

      乗り込んで来た、 アメリカ軍の パーシング陸軍少将は、この要求を

      無視して、 動こうとはしなかったのです。


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      【 当時の連合国最高司令官 フェルデナント フォッシュ陸軍大将】


     フランスでは、フランス遠征軍のアメリカの パーシング陸軍少将の態度に

     随分立腹したようですが、 あと2、3日でドイツ軍が 首都 パリに迫って

     いて、 大騒ぎの最中、 どうしようもなかったようです。



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     アメリカ陸軍としては、兵力を分散して、フランス人の便利屋として利用され

    るような兵の配置では、どんどん兵力が消耗していくだけで、この戦争には

    勝てないと考えていたようです。

    パーシング陸軍少将は、 ドイツの兵力の配置などの情報を得ると、連合国

    最高司令部の防衛作戦とは別に、アメリカ軍独自の作戦計画を立案し、

    その作戦に沿って、 その戦域を、アメリカ軍に渡すよう、要求をしたのです。



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     その作戦とは何かというと、アメリカ式の物量にものを言わせて、兵力を

     集中して、 ドイツ軍がどんどんパリをめざして 突出している部分は、

     フランス軍に任せておいて、 横から 圧倒的な火力を使用して、制圧

     射撃の後、 大挙して 大軍で集中攻撃して、ドイツ軍の補給路を遮断し、

     前線のドイツ軍を孤立させ、捕虜にしてしまおうと考えていたのです。

     その作戦を実行するには、 大量の物資、武器、弾薬、兵力が必要な

     のですが、 彼は、アメリカ本土から、これらの兵力が輸送船で到着する

     まで動かなかったのです。


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      当時のフランスの大統領も、 一介の アメリカ陸軍の少将に対して、

      強い態度に打ってでられなかったのです。

      それだけ、 当時のフランスは、 資金が枯渇し、 戦死者が日ごとに

      増えていき、 風前の灯火となり、 パリ 周辺の市民は、身の回りの

      大切な物を持って、 マルセイユ方面に 避難していったのです。


       【明日に続く。】