第1366回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1365話 米軍と連合軍の対立の事 2015年11月28日土曜日の投稿です。
の合同による、大攻勢、 通称、ミハイル作戦によって、 イギリス軍、カナダ軍
などが戦う、ベルギー方面と、 フランス軍が主力を置く、フランス国境の中央部を
ドイツ軍が、 ハーバー博士の考案した、マスタードガスという、 防毒マスクをして
いても役に立たないという、やっかいな毒ガスをどんどん砲弾で撃ち込んで、
進撃していき、 7月の夏場には、戦線が崩壊し、いよいよ降伏かという
そういう時に、 アメリカ軍の先遣隊が フランスに上陸を開始したのです。
当時 連合国の最高司令官は、フランスのフォッシュ陸軍大将で、
分けて配置して、 防衛にあたるよう命令を出したのですが、フランスに
乗り込んで来た、 アメリカ軍の パーシング陸軍少将は、この要求を
無視して、 動こうとはしなかったのです。
【 当時の連合国最高司令官 フェルデナント フォッシュ陸軍大将】
フランスでは、フランス遠征軍のアメリカの パーシング陸軍少将の態度に
随分立腹したようですが、 あと2、3日でドイツ軍が 首都 パリに迫って
いて、 大騒ぎの最中、 どうしようもなかったようです。
アメリカ陸軍としては、兵力を分散して、フランス人の便利屋として利用され
るような兵の配置では、どんどん兵力が消耗していくだけで、この戦争には
勝てないと考えていたようです。
パーシング陸軍少将は、 ドイツの兵力の配置などの情報を得ると、連合国
最高司令部の防衛作戦とは別に、アメリカ軍独自の作戦計画を立案し、
その作戦に沿って、 その戦域を、アメリカ軍に渡すよう、要求をしたのです。
その作戦とは何かというと、アメリカ式の物量にものを言わせて、兵力を
集中して、 ドイツ軍がどんどんパリをめざして 突出している部分は、
フランス軍に任せておいて、 横から 圧倒的な火力を使用して、制圧
射撃の後、 大挙して 大軍で集中攻撃して、ドイツ軍の補給路を遮断し、
前線のドイツ軍を孤立させ、捕虜にしてしまおうと考えていたのです。
その作戦を実行するには、 大量の物資、武器、弾薬、兵力が必要な
のですが、 彼は、アメリカ本土から、これらの兵力が輸送船で到着する
まで動かなかったのです。
当時のフランスの大統領も、 一介の アメリカ陸軍の少将に対して、
強い態度に打ってでられなかったのです。
それだけ、 当時のフランスは、 資金が枯渇し、 戦死者が日ごとに
増えていき、 風前の灯火となり、 パリ 周辺の市民は、身の回りの
大切な物を持って、 マルセイユ方面に 避難していったのです。
【明日に続く。】