第1395回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】


第1394話 戦争犯罪人の引き渡しの事、 2015年12月28日 月曜日の投稿です。




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  1919年の12月頃、 ドイツ労働者党の弁士 アドルフ ヒットラーが、党費を

納めてくれる 党員獲得に向けて、日中 忙しく動いていた頃、ドイツの首都

ベルリンでは、 マグマが噴出する気配を見せていたのです。



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    その問題というのが、 戦争犯罪人の引き渡しという問題であったのです。

    どういうことか言うと、 当時の連合国は、 ドイツで戦争を推進して行った

    人物を逮捕して、 裁判にかけて 処刑しようと計画していたのです。

    裁判など、あって無いような物で、 その数、約900名程度であったと

    伝えられています。


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            【 当時のワイマール共和國のフェーレン バッハ 首相 】


     当時、連合国との交渉は、 弁護士で 外交経験が皆無の フェーレン

     バッハ首相が取り仕切っていたのですが、 これらのフランスや、イギリス

     の要求に屈して、 戦争犯罪人に指定された人物の引き渡しを約束した

     のです。


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      この話しを 新聞で見たヒットラーは、「 国のために戦った愛國者を敵国に

      引き渡すなどとんでもない、 ストライキ屋と弁護士は何をやっている、

      売国奴野郎、  愛國者を生け贄に出す気か。」 と、 批判を繰り返して

      いったのです。

      

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         そして、年が変わって 1920年 ドイツのワイマール共和國の

       エーベルト大統領が、 国軍が10万人の制約を受けるようになったので

       それまで 国内の反乱、暴動鎮圧に活躍していた、民兵組織に解散を

       命じる命令を発表したのです。

       
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        ところが、ドイツ各地で結成されて、 愛國者の多かったこれらの

        民兵組織が、「 命をかけて戦ってきたのに、なにも酬いること無く、

        使い捨てにするのか。」 と、 大きく反発し、 さらに、 連合国に



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        戦争犯罪人として、 ドイツ人900人程度が 逮捕されて、フランスや

        イギリスに引き渡されるという発表があると、 これらの民兵組織や

        軍人の間で、 強烈な反対運動が起きていったのです。


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            【 当時の右派政治家 ヴォルフガンプ カップ 】


 当時、 右翼的な考えを持つ 軍人 政治家の間で、 現在のワイマール

 共和國の政府を武力で打倒して、 政権を作り直そうという動きが水面下

 でドイツ各地で発生していったのです。

 そして、ベルリンの近郊で、 ヴォルフガンプ カップ と言う右派政治家

 や軍人の間で、クーデターの計画が進んでいくことになっていったのです。


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             【 当時のワイマール共和國のエーベルト 大統領 】



        そして当時の政府が次に行ったのは、軍人の整理であったのです。

       つまり、10万人以内に 陸軍を整理しないといけないわけで、多くの

       将官、佐官、将校、兵員を 解雇していく発表を行ったのです。




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         これを聞いた、 陸軍の軍人は、「 ストライキ屋の大統領と、

        弁護士の首相、 それと、国防大臣などを武力討伐すべし。」という

        考えが、陸軍内に広がって行ったのです。



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         そして、さらに混迷を深めていったのが、海軍を縮小して、大型艦、

         潜水艦を連合国に引き渡して、 海軍は小型艦艇のみ保有を許され、

         将官 佐官 将校、水兵を大量解雇することが発表されたのです。


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       世の中に 紙幣が散乱し、 インフレがひどくなり、物価が上昇し、

       失業者が増大する中、 多くの兵士が解雇されることになっていった

       のですが、 この中に 実は アドルフ ヒットラー 陸軍伍長の名前が

       あったのです。



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        このような事情で、 ヒットラーやその同僚は、6年間在籍した軍隊を

        解雇され、 不景気な世の中に 放り出される事になっていったのです。

      

        【明日に続く。】