第1418回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1417話 ニーダバイエルン闘争団の事。 2016年1月20日水曜日の投稿です。






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              【 ルドルフ ヘス バイエルン王国 陸軍少尉 】


   後のナチスの副総統になる ヘス 陸軍少尉が加入していた、エップ義勇軍

は、 共産主義革命勢力を 武力討伐して、 そのまま、 バイエルン王国

首都、 ミュンヘン 近郊に 陣を張って、 自ら、 「 ドイツ第7軍管区司令部。」

と名乗り、 兵士を要して、影響力を保っていたのですが、 ベルリン政府から、

 用済みとなったので、義勇軍を解散し、 武装解除するよう通告を受け、


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のらりくらりと、返事を延ばしていたのですが、 バイエルンの行政府の要請もあり

武装解除をして、 組織の名前を 帝国旗団 ニーダ バイエルン闘争団と名乗り、

組織は そのままであったのですが、 資金は枯渇し、 兵士が給料も無いわけ

ですから組織がどんどん、小さくなっていったのです。


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   これらの 民兵組織を率いて 戦ってきた、 フランッ フォン エップ 陸軍

大佐達の将校は、 結局は、 ベルリン政府に利用されて、 使い捨てにされた

ような形となり、 エーベルト大統領などの ワイマール共和國こと、ベルリン政府

に随分不満を持っていたようです。

 そして、自らの権力を維持するために、 ベルリン政府を武力討伐して、自ら

政権を取ろうと、考えていたようです。



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ちょうどその頃、イタリー王国で、 同様に 退役軍人の会の ベニート ムッソリーニ

が、退役軍人の処遇に腹を立て、 ローマ政府を倒そうと考えて、 イタリー戦闘団

ファッシーなる組織を作っていた頃、ドイツでも 同様の退役軍人というか、軍人

だったのですが、 敗戦で 軍人を解雇され、 不景気のまっただ中に、放り出さ

れた、 元軍人達が、クーデターを考えて動き出したのです。

これらの事は、日本でも同様な事が戦後あったのですが、また、 紹介したいと

思います。 



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    当時、これらの義勇軍の加入者が、 ヒットラー国家社会主義ドイツ労働

 者党に在籍していたり、 機関誌を購読していたりして、 両者は、関係が深かっ

 たようです。


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 彼等は、 ニーダ バイエルン闘争団の 幹部でもあった、 エルンスト レーム

元、バイエルン王国 陸軍大尉を通じて、 ヒットラーにこの企てに参加しないかと

要請してきたようです。

 エップ 元陸軍大佐側は、 ヒットラーの煽動能力、 演説能力を非常に評価して

いたようで、 ヒットラーの周辺には、レーム元大尉や、 ヘス 元少尉がいて、

両名とも、 エップ義勇軍に参加し、 エップ 元陸軍大佐の指揮下の部下であった

のです。


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   このような事情で、国家社会主義ドイツ労働者党の内部には、多くの解雇

  された軍人が多数加入し、 不良外国人を討伐する先兵となっていたのですが、

  彼等もベルリン政府に不満を持っていたし、 闘争団の幹部も、このままでは、

  組織の維持が出来ないと悟り、 ベルリンを攻略して、 自分達の都合の良い

  国造りをしようと考えるようになって行ったのです。



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   ヒットラーからすると、 エルンスト レーム は有力な協力者であったのです

 が、 レーム達は、自分達の民兵組織を 国軍にしようと考えていたようです。

 つまり、 自分達が国防大臣のポストを手に入れて、 ドイツ全土の民兵組織を

 もう一度 ドイツ国防軍編入し、 ベルサイユ条約を撤廃し、ドイツの再軍備

 考えていたようです。

  ヒットラーは、内心、この クーデター計画に乗った後、どうなるのか当時

 判断に迷っていたようですが、 国家社会主義 ドイツ労働者党の拡大と、財政

 基盤の補強には、 彼等は必要な組織であったのです。

 彼等、民兵組織が、外国人を袋たたきにしてくれるおかげで、 ヒットラー

 党の広報誌の 過激な内容のニュースとなり、 それを読んで、「 痛快時なり。」

と思う ドイツ市民が拍手喝采し、 党員になったり、 機関誌を購読してくれていた

 のです。



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   特に、 商店街のドイツ市民は、 レーム配下の民兵組織が、不良外国人を

  商店街から追い払い、 万引きや強盗などの被害が激減し、多くのドイツ人から

  支持を受けていたのです。

  そして、 商店街が、 ご婦人が安心して歩けるようになり、 みんなから多いに

  感謝さていたのです。



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  ヒットラーが 心配していたのが、 ベルリン政府に謀反を起こした後、

  この国をどうするのか、 随分考えていたようです。

  と言うのが、 仮にうまいこと運んで、ベルリン政府を討伐しても、 フランスや

  イギリス、ポーランドなどが両面から攻め込んできた場合、挟み撃ちとなり、

  ドイツは潰れてしまうと考えていたようです。

  このような、企てを実行して、はたしてドイツの全土から支持が得られるのか、

  そういう 不安があったようです。


   【 明日に続く。】