第1423回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1422話 リヒターの陰謀の事、 2016年1月25日月曜日の投稿です。






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   ドイツ皇帝の元で、 ドイツ軍の作戦を立案し、ドイツ軍を動かしていた、

実力者 ルーデンドルフ 陸軍大将を 国家社会主義ドイツ労働者党に招いて、

彼の 国軍への影響力を利用しようという、 そう言う企みは、すぐに実行され、

リヒター元通信大臣の仲介で、ヒットラーは、ルーデンドルフと会う ことになった様

です。


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 通常の軍隊の中では、陸軍大将と、陸軍伍長がお話しするなど、決して許され

ないことですが、 それを可能にしたのは、リヒター元通信大臣のおかげであった

のです。

ルーデンドルフ 陸軍大将も、 ベルリンから追われて、 ミュンヘンの郊外に隠棲

していたのですが、 エーベルト政権が、進める軍人を解雇して、兵力を10万人

にまで削減するという政策と、 経済の混乱に随分不満をいだいていたようで、

リヒター元通信大臣や、 ヒットラー達を利用して、ベルリンに戻って、もう一度

国軍を立て直す必要があると考えていたようです。

つまり、 3者、表向きの要求が合致し、 手を組むことになった様です。



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   後に、ヒットラーは、この ルーデンドルフ陸軍大将との連立は、大きな過ちで

 あったと、頭を抱えることになって行くのですが、 リヒター元通信大臣の描いた

 計画に乗って、 2人は、 リヒター元通信大臣の指図で 動いていくことになった

 のです。

   戦後、西ドイツの研究者の間では、 ルーデンドルフが、悪魔に魂を売り渡し

たと、酷評されることになって行くのですが、 当時、 ルーデンドルフさんも、混乱

 するドイツ全土と、 戦争で失った、ドイツ帝国の領土をもう一度取り戻すには、

 なんとか、自らが政権につきたいと考えていたようです。



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 ところで、 ヒットラー達は、 もとエップ義勇軍の 補給部長のレームなどが


動いて武力闘争に備えて、武器弾薬を整えていくのですが、 なにをするにも、

お金がないと何も出来ません。



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 多額の費用がかかるわけですが、 当時、ドイツの紙幣は、インフレで価値が

 下落して、 紙くずになっていたわけです。

 それから、 おおぴらに行動すると、計画が露見してしまうわけで、また、

 フランスなどに、援助を乞うわけにも行かず、 このことが大きな問題となり、

 足かせとなって行くのです。

 このことが、結局、 失敗の大きな原因の1つとなって行くのですが、



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                       【  ヘス 副総統 】


 後の、ヘス副総統の話では、 このような事を行うのであれば、充分に

 武器弾薬があった、 数年前に実行しておくべきであったと、後悔をしていた

 そうです。

  ただ、その当時は、まだ、国家社会主義ドイツ労働者党は、存在していなかった

  わけです。   


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 ヒットラーや、レームや、ゲーリングや、ヘスなどは、 途方に暮れてしまうのです

が、これらの資金調達にも、独特な手法で、 リヒター元通信大臣は闘争資金の

調達で活躍するのです。

 その資金の出所は、だれも考えが及ばぬ、 アメリカ合衆国からだったのです。

 戦後、 これらの事は、アメリカ政府によって封印され、知る人は少ないのですが、

 ヒットラーは、政権につく前も、 政権を取って、独裁者になってからも、この

 アメリカ人を尊敬し、 ヒットラーの執務室の横に、彼の写真を飾り、多くの

 ドイツの勲章を授与したのです。


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                       【  ヒットラーの執務室 】


 当時、アメリカのドルは ドイツでは非常に高い価値があって、 アメリカの

 紙幣の価値以上に ドイツでは価値があったようです。

 ヒットラーが、 軍隊を解雇され、 生活費に困っていた当時、このアメリカ人

 から多額の資金援助を受けて、 活動し、 ヒットラーは非常に感謝していた



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   ようです。

   こうして、考えて見ると、 多額の活動資金を援助し、ナチスを作り出したのは、

  アメリカ人で、そのアメリカ人がどうして、 若干34才の無名の政治家、ヒットラー

  を支援するようになって行ったかというのは、次回に紹介したいと思います。


   【 明日に続く。】