第1425回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1424話 計画の不備の事。  2016年1月27日 水曜日の投稿です。




    

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  世の中、 うまくいかない時というのは、事業にしても、戦争にしても、学業に

  しても、総じて計画が悪いと、何事もうまくいかないのです。

  その当時、良く考えたつもりでも、失敗してしばらくして、 どこが悪かったの

  か研究して見ると、 計画が不備な場合は、想定外の出来事が発生すると、

  計画が破綻していくのです。


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       ヒットラーと言う人は、 当時、実に用心深い、細心の気配りをする人

    でありましたが、 リヒター元通信大臣の計画に乗り、 彼の指図通り

    動いていたようです。

     リヒター元通信大臣は、 若いヒットラーの持ち合わせていない、人脈が

    あって、 その手法は、ヒットラーも感心するほどであったのです。

    そのヒットラーと、リヒター元通信大臣の思い込んでいた事と違う出来事が

    起きていき、 リヒター元通信大臣の計画は大きく曲がっていくのですが、


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     リヒター元通信大臣が、ヒットラーに紹介した、ルーデンドルフ陸軍大将は、

   ドイツ軍全体を運用していた、 ドイツ陸軍参謀本部の重鎮で、作戦をルー

   デンドルフ陸軍大将に相談して、 彼の言う通りにしていると間違いない

   と思い込んでいたのが、二人の間違いの原因であったそうです。




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       後の、ヘス 副総統のお話では、 ヒットラー総統は、「ドイツ陸軍

   参謀本部の元責任者だから、戦略は彼にまかせておけば大丈夫だ。」と、

  語っていたそうですが、 実は、 これが悪い思い込みであったのです。

   ヘス 副総統のお話では、 ヒットラーや、 ヘス達が、お話しできないような、

   軍司令官や、陸軍の師団長なと゛に話をつけるのには、彼を通じて行うと、

   顔が広いというか、 スムーズに渡りがつくのですが、 ずいぶんおひとよし

   であったそうです。


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   つまり、古い中世の騎士道精神論を持ち出し、 疑うことをせず、 また、

   相手に裏切られた場合の備えをするようなことを行わない人であったようです。

   ドイツ騎士道精神にもとずき、卑怯な事や、こざかしい事は行わない、

   つまり、 ルーデンドルフ陸軍大将は、 御輿の上に乗った形で、陸軍参謀本部

   の優秀な参謀達が立案した作戦を、 ドイツ皇帝に上手に奏上していた人で、

   自ら、 作戦を立てて、考えて実行していく、そう言う人ではなかったのです。

   当時、 ヒットラーや、リヒター元通信大臣などは、 彼の正体を知らず、

   陸軍参謀本部を統括する責任者であった、陸軍大将なので、 武装蜂起

   をする計画などは 信用して任せておくことにしたようです。



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 ヒットラーや、リヒター元通信大臣、 ゲーリング、 レームが、 ルーデンドルフ

 陸軍大将が、政治的駆け引きが出来ず、 日本で言う、お公家のような人物と

 気づくのは、1番始めにリヒター元通信大臣 が1日前に気づいて、ヒットラー

 総統や、他のメンバーが気がついたのが武装蜂起してからであったのです。



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  ルーデンドルフ 陸軍大将は、 当時、雲の上の人で、ヒットラーや、ゲーリング

  や、 レームは、 お話が出来ないような身分の高い人でしたが、彼を信用

  したのが 大きな間違いであり、計画が破綻する原因になっていったのです。


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  このような教訓から、ヒットラー総統は、 どのような場合でも、自分で判断し、

  どんな高級将校や、元帥でも、 人任せにはしなくなっていったのです。

  つまり、誰も信用できず、 師団の移動なども、すべてヒットラーの許可が

  ないと 動かせなくしていたのです。

  そして、いかなる高級将官でも、 決まりを守れない将官は、処刑していった

  のです。

   これらの事は、後に、ドイツ軍の敗北の原因になっていったのです。



  【 明日に続く。】