第1426回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1425回 不足する武器弾薬の事。 2016年1月28日木曜日の投稿です。





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           【  武器弾薬を調達する担当であったレーム 元陸軍大尉】



   国家社会主義ドイツ労働者党の武装蜂起の 武器弾薬を調達する担当は、

 エップ義勇軍で、補給部長をしていた、 後の突撃隊のレーム だったそうです。

 彼を窓口にして、 旧バイエルン王国の ミュンヘンの周辺の民兵組織と連絡を

 取り合い、 彼等の参加を隠密に打診していったのです。

 彼の尽力で、 ニーダ バイエルン闘争団のメンバーや、オーバーランド団、

 ドイツ 闘争連盟などの民兵組織が参加することになり、その規模は数千名に

 なったのです。



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   ところが、レームを悩ませたのは、 小銃、機関銃、などの武器弾薬が不足し、

  これらの問題を解決するため、 ヒットラーに、 ミュンヘンのワイマール共和国

  軍 第7師団の武器庫を強襲し、 武器弾薬を押さえてしまおうという、そういう

  計画が提案されたのです。


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   ヘルマン ゲーリングの話によると、 ヒットラーはレームの話に同調し、

  そこの武器庫をナチスで押さえ、 ここの武器弾薬を民兵組織に配布し、

  ベルリンに進軍しようと 計画が進んでいったのですが、 「 まった。」 を

  かけたのは、ルーデンドルフ 陸軍大将であったのです。



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  「 我々は、ドイツ国家、ドイツ民族の将来のために、ベルリンに進むので

  あって、どうして 山賊のマネを行おうとするのか、 第7師団の師団長は

  ワシの部下で、 師団長のロッソウ 陸軍少将とは、顔なじみなので、

  ワシが話をして、 協力を取り付けよう。」と、語った事で、この襲撃計画は

  頓挫してしまったのです。

  リヒター元通信大臣も、 第7師団が自主的に ベルリンの進軍に参加してくれ

  ると、 他のワイマール共和国の国軍も、 続くに違いないと考えて、これを

  指示したようです。



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  ヒットラー元陸軍伍長も、 レーム元陸軍大尉も、 ゲーリング元陸軍大尉も、

  ルーデンドルフ 陸軍大将から、 そう言われると、当時、したがわざるおえない

  雰囲気であったそうです。

  このような訳で、 本当は、 国軍の武器庫を強襲して、 武器弾薬を略取し、

  その武器弾薬を民兵組織に配布して、ベルリンに向かうはずが、 そのことを

  行わなかったがために、 大幅に武器弾薬が不足し、 中には、手ぶらの状態

  で、 集合し、 当日を迎えることになっていったのです。



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    「 ルーデンドルフの話を信じた、 世が愚かであった。」と、 こうーヒットラー

  は、後に語ったそうですが、  ルーデンドルフ 陸軍大将は、 自分が話して

  命令すれば、 ロッソウ陸軍少将達も、この武装蜂起に参加するに違いない

  と、当時、思い込んでいたようです。」

  ロッソウ陸軍少将達から見ると、 たしかに ドイツ参謀本部の陸軍大将で、

  ルーデンドルフは、身分の高い人でしたが、 部下も、部隊もいない、過去の

  人であったのです。

  仮に、 ルーデンドルフに同調して、ベルリンに進んだところで、 その後、

  どうするのか、 また、 イギリスや、フランスと戦争をするのか、 そんなことを

  すると、ドイツは本当に国が無くなってしまうと考えていたようです。

  
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     このような訳で、 ヒットラー武装蜂起は、 ルーデンドルフが統帥をして

  いるのか、ヒットラーが統帥をしているのか、 リヒター元通信大臣が統帥をして

  いるのか、 よくわからない状態で、 準備が整わない状態で、どんどん時間が

  経過していったようです。

   ルーデンドルフ 陸軍大将が話すように、 彼の言う通りに、人が動けば、

  武装蜂起は、成功したでしょうが、実は、そうはならなかったのです。


  【 明日に続く。】