第1439回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語 】
第1438話 「全員決起せよ。」の事。 2016年2月10日水曜日の投稿です。
しばらくして、レームが送り出した偵察隊が帰って来てレームに報告し、
ヒットラー達にもたらされた情報というのは、 庁舎の周辺の交差点、建物に
バリケードをもうけて、 防御陣地を構築中と言う報告であったようです。
レームは、「 これで奴らが裏切ったと言う事がわかった、 ベルリンに出発
するのにどうして陣地を構築する必要がある、 俺が言ったように、 1番に
占拠しておけば良かったんだ、 ヒットラー、俺は貴様に何度も忠告したはずだ
いったい どうするつもりだ。」 と、 大声で叫んだのです。
ヒットラー達は、人間が3000人程度いたのですが、機関銃、小銃、
弾薬が不足して、 とても ロッソウ陸軍少将達の軍勢と正面衝突して
勝てるだけの火力が無かったのです。
ヒットラーは、「 レーム、お前の言う通りとなったが、今更、後には引けぬ、
前に進むしかない。」 と語ると、 「 貴様 正気かーー、 ナイフで戦うのか、
今日の夜中に、 夜襲をかけとけば何とかなったんだ。」 と言うと、 ヒットラー
は、短気を起こして、 「 俺にどうしろと言うのか、 みんな一生懸命やっている
おまえだけじゃない。」 と言い争いをしていると、 リヒター元通信大臣が
近づいてきて、 「どうするか、 1つは、 今日演説だけして、解散し、人質を
釈放して、 刑に服すか、 このまま、死を覚悟して、前に進むか、どうする。」
と、問うと、 ヒットラーは、 「 そんなことはわかりきっている、 肉弾となって
前に進むんだ、 前進、前進だ。」 と叫んだのです。
【 ルーデンドルフ 陸軍大将 】
そんなやりとりをしていると、 都合悪そうな顔をして、ルーデンドルフ陸軍大将
がヒットラー達に近づいてきて、 「 騎士の約束を守れんとは失望した。」と語り、
「 まず、ワシが先頭に立って、 治安警察の庁舎に進み、 そこを押さえよう、
あそこは、兵器があったとしても、 小銃や短銃で、 現在の我々の武器でも
何とかなる、 ここを押さえて、 次の手を打とう。」と語りかけたのです。
団体があつまり、 集合時間から数時間が過ぎ、 何をやっているんだと
言うようなざわつきが始まったのです。
このまま放置すると、 結束が無くなると感じたヒットラーは、大声で
決起を呼びかけたのです。
「 諸君、 まず、ベルリンに進む前に、裏切り者を抹殺するのだ、
これから、治安警察の庁舎に進み、 参加を表明しながら逃げ帰った
ザイザー治安警察長官を 出陣の門出に血祭りにするのだ。」と、
号令をかけたのです。
始まろうとしていたのです。
【明日に続く。】