第1482回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】

第1481話 難波 作之進 衆議院議員の事。 2016年3月23日水曜日の投稿です。





    

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     後の 昭和天皇こと、 当時の 摂政 東宮 裕仁 殿下に、発砲して

    狙撃犯として逮捕された、難波 大助 という24才の男の父親は、

    衆議院で 30人程度の勢力を持つ、 野党の党首の衆議院議員で、

    選挙区は山口県下関市であったのです。



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    息子の大助が使用した、ステッキ式特殊散弾銃は、 難波 作之進 議員の

    所有物で、 入手先は、 先の朝鮮総督、 内閣総理大臣 伊藤 博文 公が

    イギリスのロンドンで 買い求めたものを、 難波 議員が 譲り受けて、家宝

    にしていた物を、 子息の大助が、密かに持ち出し、使用し、凶行に及んだの

    でありました。



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     子息 大輔が刑死したと知ると、しばらくして 難波 作之進 衆議院議員

     は、 何も語らず、ため息をついて、 青竹を自ら切って、 自宅の門に、

     ×印に、竹をくくりつけて、門を閉ざし、誰とも会おうとしなかったそうです。

     数日後、 家族から地元の警察署に、 自ら食を断って、 自殺したと、

     連絡があったそうです。



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     この事件を境に、翌日から どういうわけか、 山本内閣と、警視庁を

     批判する新聞記事がどんどん印刷され、、配り歩かれ、「 震災の対応が

     内閣と 警視庁が対応が悪いので、どんどん被害者が増えている。」とか、

     「警視庁が、ちゃんとしないので、朝鮮人の暴動が起きた。」とか、今回の

     虎ノ門での狙撃事件でも、犯人を捕まえたのは、沿道のはせ参じた市民

     で、警視庁がちゃんと警備をしていれば、事件を防げたのである。」とか、

     いろんな記事が書かれたようです。



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                   【 正力 松太郎 警視庁 警備部長 】


      このような事になったのは、 山本内閣と、警視庁の警視総監、警備局長

      が悪いからだと、 批判がどういうわけか 沸いて出てきたのです。



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             【 三菱財閥の実質経営者 加藤 高明 議員 】

  

  内閣総理大臣の椅子をうかがっていた、憲政会の 加藤 高明議員等の

  百数十名の議員グループは、 山本内閣総理大臣の 辞職と、 警視総監

  湯浅 創平貴族院議員 と、 警備局長の 正力 松太郎 氏の懲戒免職を

  求めて、多数派工作を始めたのです。



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  しかしながら、海軍側から見た場合、 少数野党の党首の馬鹿息子が、狙撃を

  東宮に対して行った事は、 大きな事件ではあったのですが、「 どうして、海軍

 の山本内閣が 責任をとらなくてはいけないのか。」  実際 犯人を逮捕したのは、

 警視庁の私服警官であって、 それを周囲の群衆が、よってたかって 暴行し、制止

 する為に、けが人が出たくらいであったのです。

 これは、明らかに誰かが、 山本内閣と、警視庁を落とし入れようと情報をばらまいて

 いるとしか思えない内容であったのです。 




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           【  陸軍参謀本部  上原 勇作 陸軍元帥 】



      この陰謀、 その後、 加藤議員等の帝国議会の根回しと、 新聞社への

      情報リークのお膳立てが整うと、 陸軍参謀本部の 上原元帥らは、

      海軍省に、考える時間をあたえず、次の一手を 打ってきたのです。


      【 明日に続く。】