第1521回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1520話 相手が悪いの事。  2016年5月22日日曜日の投稿です。





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1924年 大正14年2月、 私達の分隊は、残念な事に 江田島海軍兵学校

大講堂の前で行われた、兵校【 へいこう  海軍兵学校の略語】綱引き競技で

敗戦し、 皇国山 【 みくにやま  現在の古鷹山 広島県江田島市】への登山

懲罰訓練の発令を受け、皇国山に向かって 駆け足をしたのです。



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    この 皇国山の山頂で、分隊反省会なるものを開催し、今日の綱引きの

    反省総括を行って、分隊伍長が監事【 海軍大尉】に報告する事になって

    いたのです。



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   そこで、 その反省会で出た意見を取りまとめ、 報告し許可が下りなければ、

   何度も、何度も登山をさせられることになり、 どのような事を取りまとめて

   1度で了承を得て、 この制裁訓練を完結させるかが、 議論の中心になって

   行ったのです。



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   私は飛行兵でしたので、当然ながら操縦兵、偵察兵、通信兵を取りまとめ

   部隊を統帥し、大勢の兵士を命令で動かす立場であったのですが、1つ

   感じた事をみなさんに紹介します。


   わかりやすく、戦後の会社社会で例えますと、 会社の所有する車、 普通

   自動車、 トラックでもなんでもよいのですが、 100台あったとします。

   この100台を運用し、動かしていると、どこかで、人身事故、物損事故が

   起きるわけです。


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    「 貴様は事故を起こして、どのような出来事があったのか。」 と問うと。

    人間、誰でも自己保身に走り、「 ○○が急に出てきてーー云々。」

    「 相手がぶつかってきましたーー云々。」 と、つまり、「他の人が悪い。」

    


         「 自分は、悪くないのです。」 と、 こんな申し立てをする人が

         多いのです。


    そして、ずっと 観察していると、このような申し立てをする人は、 また

    同様の事故を繰り返すのです。




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         飛行機もそうですが、絶えず発動機を回して、動いていないと墜落

         してしまいます。

         動いていると、故障したり、いろんなトラブルがあるわけですが

         私達は、決して、整備員が悪いとか、人が悪いとか、そういう事を

         言わないよう教育を受けていったのです。


         
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   身近な場所で、 事故をおこして、「 いゃーー相手がーー云々。」 などと

   話している人がいましたら、 人前は避けて、 2人だけで、 「そのような

   心がけでは、 すぐまた事故を起こすぞ。」 と、 耳打ちしてあげてください。

   私も色々失敗をしでかし、大きな事故を起こして 連合艦隊司令長官に呼び

   出されたり、いろんな経験をすることになるのですが、 順番に紹介して

   行きたいと思っています。


  【 明日に続く。】