第49回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第48話 自分自身のことは、自分自身で、 2012年 3月27日 火曜日投稿。
 
母、シカが、入院して以来、大変な生活であったが、二宮金次郎の校庭の象を見て、思い直して、病院に見舞い
 
に行き、顔色の悪い母を見ると、愚痴も言えず、病室を後にした。
 
途中、敏恵さんのいる本屋に、久しぶりによると、「まあー、淵田さん、ひさしぶり、勉強が忙しいの。」と、訪ねら
 
れたので、「母が入院して、色々と大変でーーーーーー。」と言うと、「まあー、お気の毒、新しい問題集が入って
 
いますよ。」と真新しい、海軍兵学校の問題集であった、早速、いくらかと、訪ねて、費用を払い、本屋を後にし
 
た。
 
人間、親もいつまでも生きてはいない、自分の事は、自分でがんばらなければ、と問題集を手に、八百屋で、
 
食材を買いこみ、家路を急いだのであった。
 
家に帰ると、この頃になると、要領を得るというか、段取りが良くなるというか、山の落ち木拾いは、近所の子供に
 
お小遣いを渡して、集めてもらい、掃除なども、苦にならなくなっていった。
 
自分の事は、自分でする、このときの経験が、海軍に入ってからも、随分と役に立ったと思っている。
 
【次回に続く。】