第92回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第91話 新聞配達で、早朝、脚力をつける。                     2012年5月8日火曜日投稿。
 
まだ薄暗い中、走って新聞を配るわけであるが、なかなか、大変である。
 
当分、冬場から、勉強だけに専念していて、8月の暑い夏場などは、駆け足をサボっていたので、少し体が
 
ついていかない部分があったのであるが、自分のためと思って、歩かずに、走って、走って、新聞を配った。
 
昨日より、同じところを2回も走って通るという、不経済な事が無くなったので、時間が短縮できた。
 
朝の5時頃から、早い家は、起きているので、「まあー、校長先生の息子さん、おはようございます。新聞あ
 
りがとう。」と、挨拶されるので、「おはようございます。」と、こちらも、愛想良く、朝の挨拶をして、気持ちが良
 
かった。
 
新聞を配って、お金をいただいて、感謝されるのは、商売として、良い事で、新聞配達をしてみて、良かったと
 
感じた事であった。
 
さらに、良い事は、ただで新聞が読めることで、少し早めに配り終えて、最後の50件目になったので、すこし
 
休んで、新聞を広げてみた。
 
あーどれどれと、広げてみたら、そこに出ていたのは、帝国海軍、戦艦、巡洋艦、主力艦 増強、の新聞の
 
おおきな見出しであった。
 
8月の入試に合格していればーーーー。と後悔し、内容を読んでみると、欧米に比べて、戦艦の数が少ない
 
ので、増強するなどと、書かれていた。
 
そのときは、まつたくわからなかったのであるが、翌年、この見出しの記事が、自分に幸運をもたらすので
 
あった。
 
【次回に続く。】