第110回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語。】

第109話  海軍兵学校二度目の願書到着。             2012年5月27日 日曜日投稿。
 
大正9年の秋が深まった、11月初旬、海軍省に申し込みしていた、2回目の願書の用紙などがとどいた。
 
昨日紹介したように、7月に、海軍増強計画なる法律を国会で成立させ、その乗組員、及び、将校を養成する
 
ため、来年度は、大幅な入学人員の増加を予定し、業務が増えるため、今年は、8月入学試験、12月入学
 
の予定であったが、試験を早めて、4月入学試験、 9月入学に変更になったようであった。
 
自分にとっては、一日でも早く入学したいので、入試が早まったのは、良いことである。
 
本来なら、同級生は、今頃、兵学校の制服などを新調して、12月の入学に備えている頃である。
 
1年のブランクは、重大である。
 
早速、母校の畝傍中学に行って、必要書類を整えなければならない、五条の町の写真屋で、裸体の写真の
 
撮影も必要である。
 
ひとつ、ひとつ、順番にしていくことにした。
 
まずは、母校の畝傍中学校で、内申書や、成績表などを整えないといけなかった。
 
今なら、電話をかけて、頼んで、指定した時間に取りに行けばよいのであるが、当時は、そうではなかった。
 
駆け足で、学校に向かった、よく考えてみると、授業がおわった頃、行かないと、先生は授業中で、教室に
 
行っているので、職員室は不在である。まだ時間がずいぶんあるので、五条の町の写真屋を、訪れようと、
 
道を少し変更したのであった。
 
【次回につづく。】