第134回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第133話  お土産を買い忘れる。                    2012年 6月22日 金曜日の投稿です。
 
お土産のお守りと絵はがきを買って、2人で少し歩くと、父が「美津雄、山口さんの家から、お餅を、もらったの
 
だったなー、何か買ってかえるか。」と言う物だから、よく考えると忘れていたのであった。
 
大正10年になったばかりというのに、新年早々、大事なことを忘れていた。
 
 
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「父さんが、近所つきあいだから、何か買おうかと、色々と考えていたのだが、何を買ったら、喜んでもらえるか、
 
美津雄、何がよいかなー。」と、聞くものだから、「うーーん、やっぱりお守りか、お札がよいのでは、山口のおじさ
 
んとこ、ずいぶんな年だし、喜んでもらえるのでは。」と言うと、「そうか、では、お札にするか。」と言うことで、
 
お札を買ったのであった。
 
春日大社のお札、喜んでもらえればよいのだが、ーーーーーー。
 
そのまま、家に父と帰宅して、母に、「春日大社のお土産。」と、言って、お守りを渡したのであった。
 
母が、「美津雄、どんな感じだったのーー。」と、聞かれたので、「たくさん人がいてね、父さんと一緒にまっす
 
ぐ歩けないぐらい人がいたんで、はぐれないようにするのに、大変だった。」というと、「まあー、大変な遠くまで
 
いって、お守り買ってきてくれて、ありがとう。」と、ご機嫌であった。
 
父が、「おまえの体が、早く良くなるように、よくお祈りしてきた。」と、言うと、母は、嬉しそうな顔をして、
 
布団の中で、喜んでいたのを記憶している。
 
【次回に続く。】