第148回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語です。】

第147話  校内軍事演習に参加する。                  2012年7月6日 金曜日の投稿です。
 
月が変わって、大正10年3月1日、 母親の食事の支度をして、「今日は、畝傍中学で、軍事教練があるから、
 
帰りが遅くなる。」と伝えて、自分のお弁当を持って自宅を出発した。
 
近所のおばちゃんに、母のことを頼んで、早朝、中学まで歩いていった。
 
畝傍中学について、職員室を訪ねると、教頭先生が、他の先生とイライラしながら、仕事に追われているようで
 
あった。
 
そばに行って、「教頭先生、おはようございます。」と挨拶して、「今日はどのようにしたらよいのでしょうか。」と
 
訪ねると、「もう少ししたら、奈良から、陸軍の将校がくるので、それまで、待っていてくれたらと思うのだが。」と
 
言われたので、校庭のベンチに腰掛けて待つことにしたのであった。
 
そうこうしているうちに、馬に乗った将校と、荷だ馬車が、2両 音をたてて畝傍中学にやってきた。
 
将校は、馬を降りて、兵卒に手綱を渡すと、正面の玄関から、軍刀を持って、スタスタと入っていたのであった。
 
馬車を乗ってきた兵士は、馬車を校庭に移動して、馬を移動させて、馬車から木箱をおろしだした。
 
人間の背丈ほどある木箱を二人がかりで、横に並べながら、整然とおいていき、蓋を開けると、中に、小銃が、
 
3丁ずつ入っていて、他に、木銃を数本とかかしのような物を数体と色々と、おろしだしたのであった。
 
しばらくたって、すべておろしたようで、馬車を又動かして、馬を井戸のところに移動させて、水を飲ませ始めた
 
のであった。
 
【次回に続く。】