第167回  昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第166話  校庭をほふく前進する。                  2012年7月25日 水曜日の登校です。
 
 鉄棒のところで成り行きを見ていると、自分たちの番がやってきて、「ぴぃーー。」という笛で、うつぶせになり、
 
芋虫のように、ほふく前進をする。
 
  「そんなに、頭を上に上げていたら、敵の弾が頭に当たって、死ぬぞ。」と、怒鳴り声が聞こえる。
 
 
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       人のことなど、考える余裕はない、 3月の2日のまだ寒い奈良だが、暑くて汗だらだら、
 
服装は、泥だらけである。
 
      青木中尉は、「頭を上げるやつは、容赦なく、修正をいれろ。」と大声で怒鳴ると、籏屋二等兵が、
 
呉服屋の清水君の頭を、棒で、つついて、「頭が高い。」と、注意する。
 
      みんな、ひぃひい、ふぅふぅと、悲鳴をあげながら、校舎までほふく前進をしたのであったが、
 
到着すると今度は、「 ピーーイーー。」と笛を吹いて、「今度は出発地点、校舎、 目標、鉄棒 前列、ほふく前進
 
よーーい、始めー。」と。命令があった。
 
  ため息が出たが、その後、これを5往復、 全長200メートルを5回だから、1000メートルも、ほふく前進を
 
させられて、みんな体力を消耗して、足腰が砕けそうになったのであった。
 
【次回に続く。】