第168回  昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第167話  校長先生のお話。                       2012年7月27日 金曜日投稿です。
 
 みんなが校庭に、バテて、座り込んでしまって、動けなくなった。
 
特に、先生方は、疲労が激しく、ぐったりしている。
 
 午後14時ぐらいだったか、校長先生と教頭先生が、青木中尉の所に行って、なにやら話し込んでいた。
 
青木中尉は、ずいぶんと不機嫌そうになったのであるが、しばらくすると、なんと五条の町の写真屋の親父が、
 
校庭に入ってきた、昨年の兵学校受験用の全裸の写真を撮影していただいた、写真屋である。
 
  なにやら話していたが、青木中尉が、「全員整列。」と命令を出した。
 
 我々は、よたよたしながら、整列して、「右から、番号。」と、青木中尉が命令すると、番号を1、2、3、4、と
 
順次数字を発声して、一巡したのであった。
 
  青木中尉が、「えー全員傾注、諸君、疲れたような顔をしているが、校庭での訓練は、これで終了し、これから、
 
本日を記念して、写真を撮影するので、整列して、写真を撮るので、指図は、おい、写真屋、おまえが、指示を出す
 
様に。」と言って、全員整列したのであった。
 
 
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         「それでは、記念して、写真撮影をしますので、こちらをご覧ください。」 「はい。目をあけてーーー。」
 
 
「はいよろしいです。」「もう1枚取りますよ、 じーーっとこちらを見てください。」 「はい。目をあけてーーー。」 
 
「はい、終わりました。」 「みなさん、もう解散してよろしいですよ。」と、言うと、青木中尉の所に、校長先生と、
 
教頭先生が行って、ひそひそ話しをていると思ったら、校舎の玄関に服部少尉を伴って、消えていったのであった。
 
 校庭のみんなは、それぞれバラバラに散開した。
 
ほとんどの人が、井戸に走って行って、水を飲んだのであった。
 
【次回に続く。】