第198回 昭和の伝道師 【戦中、戦後のパイロットの物語】

第197話  松浦先生のお話                            2012年8月26日 日曜日投稿
 
 平本中尉は、「これで本日の話しは終わる。」と言うと、みんな起立して、45度の礼をして、挨拶したのであった。
 
平本中尉が、教卓から離れて、少し脇に下がると、窓際にいた松浦先生が、教卓に戻り、話し出した。
 
「みんなも、わかっていると思うが、この中で海軍兵学校に合格するのは、毎年約3人、4人いたら、拍手喝采
 
合格率であるので、がんばってほしい、尚、問題については、なるべく暗記して、後輩のために、学校に出題傾向
 
などを、各自報告してもらうと助かる。今日は、ここで終わりにして、散開しますが、もう一度、多忙な中、呉から
 
駆けつけていただいた、平本さんに、みんなで御礼を言いましょう、全員、起立、 どうもありがとうございました。」
 
と、言うと、全員起立して、礼をして、その日は、散開となり、教室を出て、校庭に出たのであった。
 
 
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              【戦前の広島県立第1中学校の写真。 現在の国泰寺高校の付近】
 
 
平本中尉が、校庭を歩いて、校門を出るのを見送ったのであったが、 この平本道隆中尉、後の第3南遺艦隊 
 
参謀 平本大佐は、海軍に入ってからも、同郷と言うことで、色々とお世話になった人で、霞ヶ浦の海軍航空隊の時
 
も、色々と相談し、海軍大学でも世話になり、ロンドンから駐在武官として赴任した後、帰国して、艦隊に戻るときも
 
色々とお世話になった人で、面倒見の良い人で、ここで、初めてお会いして、長いつきあいが始まるのであった。
 
 
【次回に続く】