第236回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

  第235話 英語の入学試験が始まる。                  2012年10月3日 水曜日の投稿です。
 
 午後になって、数学2の合格発表があって、合格していたのであるが、次は、英語の試験であった。
 
歩いて、木造の建物に行くと、今度の入学試験は、一部屋だけで、行うらしい。
 
いってみると、段取りが良いことに、陸軍の兵士が、机に番号を貼っている最中であった。
 
 「まだ、準備が出来ていないので、部屋の外で待つように。」と、指示があって、外で待つことにした。
 
 
  しばらくすると、「よし、入室してもよろしい。」と、許可が出て、中に入ったのであった。
 
 机の上に、88と書いてある所に腰を掛けて、「ふうーーと。」 深呼吸したのであった。
 
周囲を見ると、1中の生徒は、重森、井上、石村、橘高、小松崎、石川、半田、大谷、佐藤と、ずいぶんとまだ残って
 
いるようであった。
 
 
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しばらくすると、数人の男たちがやってきて、黒板に日程を書いて、「全員 起立、 これより、海軍兵学校 
 
第52期の英語の試験を行う、よいか、ただいま、すこし予定が遅れていて、13時45分から、英語の試験を
 
行う、 時間は、2時間半、 終了時刻は、16時15分を終了とする。 合否発表は、本日の17時前後になると思
 
われる。 各自、すこし残って、自分の合否をよく確認して、帰宅するように。
 
ここに書いてあるが、明日の予定は、午前中 物理 午後は、国語漢文となっていて、今日のように、合格しないと、
 
次の試験は受けられないことになっておる。 各自 一生懸命 悔いのないように、がんばるように。」
 
「なにか、質問のある者はおるか、」と、聞かれたのであるが、誰も返事がなかったのであった。
 
「よし、全員着席せよ。」 と、指示を出すと。
 
「これより、答案を配布する。 各自、1枚ずつ用紙を取って、うしろにまわすように。」と、指示か゜あり、
 
答案が、机の上に来たのであった。
 
「あーーー、全員、傾注、 毎年であるが、一人、名前、受験番号の書き忘れという、抜けた生徒がおる。今から
 
全員、鉛筆で、受験番号、氏名を記入せよ。」
 
「書いたかーー。」と言って、教卓のところで、ちらりと、腕時計を見ると、「英語の試験始め。」と、大きな声で。
 
号令がかかったのであった。
 
 
【次回に続く。】