第237回 昭和の伝道師【戦中戦後のパイロットの物語。】

第 236話 大正10年5月7日の英語の入試試験の事         2012年10月4日木曜日の投稿です。
 
 「はじめ。」の号令がかかると、みんな一斉に、英語の入学試験に取りかかったのであった。
 
耳に入ってくるのは、鉛筆の音と、試験会場を歩いて監視する、陸軍の兵士の長靴の音だけであった。
 
はじめの問題は、取るに足らない和単語を、英単語に変換する問題であった。
 
 
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              【当時の最新鋭 高速戦艦 金剛  イギリスからの輸入艦であった。】
 
 問1 次の和文を英単語にせよ   1、駆逐艦 
 
 問2 次の和文を英単語にせよ   1、戦艦
 
 こういう問題は、1中でくさるほど練習していたので、わけがなかった、駆逐艦は、デストロイヤーと記入して、
 
 戦艦は、バトルシップと記入したのであった。
 
 問3、は、英文がづらずらと書いてあって、和訳せよ、という問題であった。
 
 この問題も、全部単語がわかっていたので、文法を試す問題であろうが、難なく出来たのであった。
 
 問4、は、日本語を英語にする問題で、大砲や、兵士や、タンクや、軍艦の数が勝利を決めるとは限らない、
 
    多くの場合戦う者の不屈の精神が勝敗を決する。
 
     この日本文を 英文にする問題であった。 
 
    今から考えると、科学を置いて、精神主義に走りすぎた、日本海軍の象徴のような文面であった。
 
     これも何とか、間違いのないように、スペルの文字も再度確認した、そしてよく忘れるのが、アポストロ
 
    フィーであるので、ちゃんとつけたのであった。
 
問5問は、こんな何題であった。
 
     我が大日本帝国の世界大戦に関係した参戦の理由、経過、講和までの全課程を英文で、簡潔に述べよ。
 
    この問題には、まいった、単語が、すべてわからなかったのであった。  どうしたものかーーーーーー。
 
    時間だけが、こくこくと過ぎていったのであった。
 
【次回に続く。】