第238回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第237話  英語の入試試験、第5問の事                 2012年10月5日 金曜日投稿
 
 世界大戦の参戦の理由、経過、講和までを簡潔に英文にせよの問題は、全部の単語が、当時の語学力では、
 
とても、書けなかったのであった。
 
  どちらかというと、虫食いの穴埋め問題、一般的な、単語、英文法は、対応出来るのであるが、この問題は、
 
応用問題で、まいってしまった。
 
   こくこくと時間だけが過ぎていく、仕方ないので、魚も、頭と尻尾がないとおかしいので、何とか、はじめの文と、
 
後の文を書いてみたのであった。
 
 
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                        【日露戦争時代の 軍艦  出雲  】
 
         【このいずもは、源田實が、海軍兵学校を卒業して、はじめに乗り組んだ軍艦であった。】
 
                           
  日本は、日露戦争のあと、世界大戦が起こって、ドイツ領の中国の植民地、山東半島と、 南洋のサイパン島
 
などに、火事場泥棒のように、ドイツの植民地を、イギリスと同盟関係にあることを理由に出兵し、占領したのであ
 
るが、ドイツの潜水艦に、水中より攻撃されて、船が沈められて、大被害を出したのであった。
 
 当時は、魚雷はあったのであるが、爆雷は、なかったので、対処の仕方が、皆目わからず、この新兵器には、
 
ほとほと手を焼いたらしい、
 
  都合が悪いことは、新聞には出ないので、そんなには知られていないのであるがーーー。
 
 
 
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                       【ドイツ帝国の新兵器、潜水艦隊】
                 
 又、サイパン島は、委任統治が認められたものの、山東半島については、アメリカの圧力で、手放さなければ
 
ならなくなったのであった。
 
 国内でも、大日本帝国が占領した、山東半島を、どうして、返還しないといけないのかと、議論になったのだが、
 
これを何とか、自分が知っている、確実に間違いのないスペルで、記入して、それらしい文章にしないといけない、
 
そうしていると、試験中の生徒が手を上げて、答案を出して、部屋を出て行った、あの制服は、修道中学の生徒の
 
制服である。
 
 修道中学に、まけてなるものかと、思っていると、今度は、同じ中学の重森のやつが、答案を提出して、部屋を
 
出ていった。
 
気ばかり、あせって、どうもいけない、 気をおちさかせて、なんとか、それなりに、文章を続けて書いてみたので
 
あるが、自分が言いたい文章とは、いいがたい文章であった。
 
こんな事で、不合格になっては、今まで何をしていたのか、わからない、
 
  もう少し、なんとか、文章をつついて、書いていると、試験官が、教卓のところで、「終了10分前。」と
 
 大きな声で、言うのでびっくりしてしまった。
 
  出来るだけのことを書いて、あとは運に任せるしかなかったのであった。
 
「試験終了、」 試験官の大きな声がしたのであった。
 
【次回に続く。】