第245回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第244話 数学の2の入試試験に、物差しを忘れる。 2012年10月12日金曜日の投稿です。
第五問は、作図をしないといけないのであるが、まいってしまった、宿屋に物差しを置いてきてしまった。
まさか、作図問題があるとは、露にも、考えてなかったのだった。
今の現在は、セルロイド【ブラスチック】の物差しが主流であるが、当時は、竹の物差しが、ほとんどであった。
こういう感じに、切り倒した竹を割って、3年程度寝かせて、乾燥さして、火であぶって、油ぬきを
するのである。
そうして、カンナで、削っていくのであるが、大正当時は、竹の物差しは、結構なお値段であった。
今から宿に、取りに帰るわけに行かずーーーーーー。
えらいこっちゃなーー、どないしょうか、と考えていると、おお、そうや、そうや、鉛筆を
差し替わりにして、ただし、寸法がわからないのであるが、仕方なしに、目分量で
何とかすることにした。
敵、艦船の点を打つと、ここからNの方向に、毎分300メートル ノットに直すと、8ノット前後や、
これを潜水艇は、この黒丸から、潜望鏡で視認して、毎分150メートルの速度で直進する。
ノットに直すと、3ノットから、4ノットや、敵船の西の方角に近づかんとす。
鉛筆を置いて、シャーーーと線を引いたのであった。
そして、進むべき方向は、ここの点と、ここの点を結んで、こう線を引いて、出来上がりや。
そうして、出来上がったのであるが、 ふと横目で、となりの生徒をちらりと見ると、まだ3問目を
やっているようであった。
【次回に続く。】