第246回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第245話  大正10年5月7日の正午の事              2012年10月13日土曜日の投稿です。
 
 試験時間、ぎりぎりまで、もう一度、最初から、やり直して、考えて見た、もう、2度と失敗は、許されない。
 
そうこうしていると、時間中に、答案を出して、試験会場から出て行く生徒も出てきたのであるが、最後まで椅子に
 
座って、じっくりと考えて見た。
 
 そうしていると、教卓の試験官が、大きな声で、「終了10分前。」と、声を出したら、試験会場が。静かなので、
 
すごく響いたのを覚えている。
 
 特に、5問目については、主題が、潜水艇という、当時の新兵器で、新聞である程度の知識を得ていた物の、
 
すべて、水平距離で物を考えて良いかどうかが、よくわからず、悩んだ問題であった。
 
普段の物差しの感覚から、作図をしたのであるが、どうしてもも数ミリは、誤差が出てしまう、物差しの件では、
 
大変反省したのであった。
 
 そこまで、細かく採点する場合、不合格になる可能性が高いのであるが、線の下側に、それを補足するため
 
 数値を記入しておいた。
 
   人間が多いので、いちいち答案用紙を、尺で測るような事はないと思ったのであるが心配であった。
 
 
試験官が、「終了と、叫ぶと。」みんな一斉に鉛筆を置いたのであった。
 
  答案を前の教卓に提出して、筆記用具をしまい込んで、外に出たのであった。
 
 
 
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                        【当時の兵舎内での、配膳の状況】
 
 
まだ、12時前であったが、兵員食堂の方に歩いて行き、中に入ると、昨年お会いした、食事係の軍曹がいたので、
 
「昨年の8月は、お世話になりました、淵田です。」と、挨拶すると、なにやら忙しそうにしていたのであるが、
 
「おーーう、葛城の方の校長先生の息子か、今年も懲りずに受けに来たのか。」と、こちらによってきて、久方ぶりの
 
再会をしたのであった。
 
【次回に続く。】