第256回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第255話 3日目の化学、物理入学試験の事                   2012年10月23日 火曜日投稿
 
 
 
 
 
  
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    広島城大手門を入ると、 前の方に、同じ中学の井上と石村と重森の3人がいて、たむろしていた。
 
 「わりゃー。おはよう、めーさめとるんか。」と、聞いたら、「残念じゃが、眠いのーー、わしゃ、最後のあがきで、
 
夜中まで、勉強しとったんじゃ。」と、重森が言うので、「わしゃー、昨日は、準備だけしてのー、早うねたんじゃ。」と、
 
話しをしていたのであるが、さすがに、試験3日目になると、人が少ない。
 
  「ずいぶんと、人がおらんようになったのー。」と、言うと、「ほんまじゃのう、 まあー、今日の午前中で、また、
 
すくのうなるじゃろうて、毎年、3人か、4人合格すればいいところじゃけえーのー。」と、重森が言うと、
 
 
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 石村が、「重森靖彦、 一人だけ受験番号が無くて、 浪人、そして、徴兵の赤紙が来て、陸軍二等兵に任ずる。
 
なんてのーー、ええーきみじゃー。」と、言うと、重森の顔が、機嫌が悪くなり、重森が、「わしが、海軍大佐になったら、
 
ムラ、 おまえは、海軍一等水平に降格して、便所担当にして、こきつこうてやるけえ、おぼえとれーよ。」と、
 
言い合いをしていると、他の生徒達が、数人、やってきた、 一緒に試験会場の受付に行って、陸軍の担当の
 
兵士に、姓名を申告して、試験会場に入ったのであった。
 
 
【次回に続く。】