第267回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第266話 国語、漢文の合否発表の事                2012年11月03日土曜日の投稿です。
 
 
しばらくすると、陸軍の白い試験係という、腕章をつけた兵士が、2名、掲示板の所に合否の紙を貼りだした
 
のであった。
 
遠くから、それを見ていた源田實は、口を開けて、はぁーーと、見つめて、縦が5人、横が、3列で、15人
 
しか、合格がなかったことを、確認したのであった。
 
やはり、和歌の問題と、韓非の漢文の問題が、難しかったのか、15人中、広島第1中学の知り合いの
 
生徒は、小松崎だけ、不合格になったのであったが、「小松崎二等兵決定。」なとど、からかっていた、
 
重森生徒が、現実に小松崎生徒が不合格になると、小松崎生徒を慰めていたのが、記憶に残っている。
 
当然、自分は、合格していたのであったが、まずは、よかった、明日は、試験4日目の大詰めである。
 
 
 
 
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他の生徒と別れた、源田實は、広島市内の下宿に戻った後、下宿のおばさんに、とりあえず、きょうま試験は、
 
合格したことを告げると、自分の事のように、喜んでくれて、嬉しかったのであった。
 
2階の自分の部屋に、戻ると、小刀で、鉛筆を削ったのであった。
 
明るいうちに、鉛筆を削らないと、夜のランプの光では、なかなか、見えにくいので、上手に削らないと、
 
書きにくくなってしまう、、窓の外から、美味しそうな醤油のにおいがしてきたのであった。
 
まもなく、夕食である。
 
   
 今日は、なんきゃーのと、楽しみにしていたのであったが、心配していた、国語、漢文の試験が、無事
 
終わったので、安心して、お腹がすいてきたのであった。
 
「みのるさん、 ごはんよーーー。」と、下から声が聞こえてきたので、降りてみると、ハゲの煮付けであった。
 
 
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広島地方は、ハゲと呼び、横須賀などは、はわはぎと呼ぶ、この魚は、沿岸の防波堤の先などで、よく
 
釣れるのであるが、口が小さく、小さな針でしか、釣れない魚で、上の画像の下の部分のキモが、何とも
 
いえぬ美味で、ここ、広島に住みだしてからは、好物の1つになっていたのであった。
 
下宿のおばちゃんが、「みのるさん、あと二日じゃけーね、がんばりんさいよ。」と、言われて、今日の
 
出来事などを、夕食を食べながら、語り合い、楽しく過ごしたのであった。
 
 
【次回に続く。】