第269回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第268話 大正10年5月8日の奈良歩兵第38連隊の事 2012年11月05日月曜日の投稿です。
化学記号を復唱していると、朝の6時30分頃になり、朝食を食べに、1階の居間に降りたのであった。
5月5日の満室の状態から、打って変わって、今日の朝は、薬の行商のおじさんと二人だけであった。
暖かい味噌汁と、ご飯に、女将手ずくりのたくあんの漬け物をいただくと、再度忘れ物がないか、筆記用具
などを確認して、風呂敷をくくって、出発の準備をした、女将が、「お弁当と、お茶ができたわよ。」と、持って
来てくれたので、ありがたくいただき、「がんばってくるのよ。」と、声をかけていただき、「それでは、いってき
ます。」と、挨拶して、宿屋の大和屋を後にしたのであった。
試験会場の38連隊に行く道中、ずいぶんと受験生が、不合格となり、いなくなった
物だと、考えながら、道中を急いだのであった。