第271回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第270話  化学 物理の入学試験の事              2012年11月7日 水曜日の投稿です。
 
  
 しばらくして、8時45分に、試験の担当の兵士達が会場にやってきた、 受付をしていた兵士が、
 
きょうつけをして、入ってきた、准尉に、敬礼して、「本日の試験の受験者数29名、欠員ありません。」と、
 
報告すると、准尉は、「報告ご苦労。」と、言葉少なに、兵士に答えると、おおきく咳をして、「これから、海軍
 
兵学校第52期の化学と、物理の入学試験を始める。」と、号令をかけたのであった。 左右の当番兵が、
 
指につばをつけて、用紙を勘定して、配布を始めた、准尉は、「時間が来るまで、用紙は裏返しにして、伏せ
 
とくように。」と、指示を出して、うしろまで歩いていって、全員に用紙がいったことを、確認したのであった。
 
 
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「あと、5分で9時だ、それまで今日の予定を、黒板に書いておく。」と言うと、手早く、続き文字で、
 
今日の予定、下のごとしと、書いて、夕方までの予定を書いていったのであった。
 
書き終えて、「それでは、試験を開始する。」と、号令がかかると、みんな一斉に答案を裏返しにして、
 
問題に取り組んだのであった。
 
はじめの問題は、水の元素記号を記入せよという問題であった。
 
簡単やがな、0点防止問題で、誰でも出来る問題であった。
 
第2問は、 水を分解した場合の成分図を四角い枠中に元素記号を用いて、記入せよと言う問題であった。
 
これも初歩的な問題であった。
 
第3問は、ちとややこしい、 複数の滑車の図が書いてあり、この荷物を引き上げるのにはどのくらいの
 
重さが必要かという問題であった。
 
この問題は、複数の滑車を描く事で、複雑のように見せかけてある問題で、過去、解いたことがあったので、
 
難なく解答が出来たのであった。
 
いよいよ、4問目であったが、動力及び摩擦とはいかなる物か、ななめなる坂の上に。石の滑り落つる時、
 
これに働く動力及び、摩擦の方向を問うという、問題であった。
 
今日は、ちゃんと物差しを持って来たので、矢印を入れて、解答が出来たのであった。
 
【次回に続く。】