第350回 昭和の伝道師、【戦中、戦後のパイロットの物語】

第349話  海軍兵学校 入学試験 被服採寸の事 。     2013年1月26日土曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ひととおり。身体検査を終えると、 玉井上等兵が、書類を持って来て、3人の軍服を作るのか、体の寸法を
 
記入しだした。
 
  軍医が、「おい、上等兵、どこをはかるんや。」と、問うと、上等兵は、「はっ、  まずは、股間から、
 
足の首までの、長さであります。」と、返事をすると、軍医は、「 よいかな、聞いての通りだ、全員、また
 
を広げろ、あーーーー、ねもとのほうは、自分で持て、あーー、おまえ、おまえは、あしくびのほうを持て。」
 
と、私に指示がでたので、私が持ったのであるが、「おい、何センチや。」と聞かれて、「はい、70センチで
 
あります。」と、返事をすると、 軍医は、「おい、おまえ、ちゃんと股間の、貴様の大砲の根元に、0を持って
 
行かんと、すその短いズボンが出来るぞ。」と、軍医に言われて、我々は、クスクスと笑ったのであった。
 
 
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つづいて、腰回り、 肩幅、肩から腕の手首の先まで、採寸し、記入すると、上等兵殿が、「すいません、
 
軍医殿、 頭の周りを測らないといけません、それと、足の幅と、足の長さもです。」と言うと、軍医は、
 
「ばんもん、 おまえのような、兵隊が、段取りがわるいちゅーんや。」と、しかりつけたのであった。
 
玉井上等兵は、直立不動で、「はっ、申し訳ありません。」と、その場で、謝罪したのであるが、軍医が
 
言うには、「はじめが、東部の採寸をして、徐々に、下部を、測っていかないと、 股間や、足をはかって、
 
頭を測ると、臭いにおいがするぞ。」と、言うので、我々は、又々、クスクスと笑ってしまったのであった。
 
軍医は、我々の計測が終わると、使用していた、巻き尺を、手に取ると、「おい、上等兵、おまえ、責任
 
取って、この巻き尺を、井戸で洗ってこい、においがついたようだ。」と言って、玉井上等兵に渡し、
 
上等兵殿が、臭い物を手でつかむように、指で巻き尺を、つかんでいたのが、記憶に残っている。
 
 
【次回に続く。】