第352回 昭和の伝道師 【戦中、戦後のパイロットの物語】

第351話  海軍兵学校、被服採寸入学試験の事。  2013年1月28日月曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
  海軍大尉の病院での経験話に、我々3人は、びっくりして、目を丸くして、聞き入っていたのであった。
 
続けて、海軍大尉は、「 その病院での検査が終わると、全員整列して、広島駅に行き、呉駅に移動して、
 
呉の海軍指定の宿屋で、一泊する。 そして、翌朝、中通りを通って呉の海軍基地に行く、 すると、鉄の
 
大きな軍艦が、多数停泊しておって、良い眺めである。
 
 
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        いずれは、あの軍艦のどれかに、乗り込むことになると想像すると、嬉しくなったものだ。
 
 
 
 
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        そして、呉基地から、連絡船に乗って、江田島という、20分程度離れた、島に上陸する。
 
         ここにだな、海軍兵学校がある。  
 
         初日は、江田島の小用という町の、宿屋に宿泊して、翌日兵学校の門をくぐることになる。
 
 
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      そんなに大きな門ではないが、 我が輩は、 じぃーーんと、心に響いたものだ 、
 
     ここの練兵場で、2次入学試験が行われた。
 
     主に、基礎体力がどの程度か調べる試験で、走らされたり、飛んで見せたり、色々とやらされた。
 
     当然ながら、不合格の生徒がずいぶんと出て、とにかくだ、走るのが遅いやつは、だめだな、
 
      勉強が出来ても、走るのが遅いやつは、不合格になる。不合格の生徒が、翌年、東京帝大に
 
     合格するのだから、兵学校は、日本一、難しい学校である。」と、話すと、
 
 
      すると、海軍大尉は、ポケットから、懐中時計を取り出し、蓋を開けると、「おーー、もう、
 
      ヒトヒトサンマル時か、  それでは、ここで我が輩の話しは終わりにする。 3人とも、健闘を、
 
      祈る。」と、言って、 部屋から退席してしまったのであった。
 
      私は、なんやーー、肝心なこと、もうすこし聞きたかったと、思ったのであったが、
 
      周囲に2次入学試験を受験した人がいないので、様子が、よくわからず、不安な気持ちで、
 
      一杯に、なつたのであった。
 
 
【次回に続く。】