第395回 昭和の伝道師【戦中戦後のパイロットの物語】

第394回  海軍兵学校授業概要の事。        2013年3月21日 木曜日の投稿です。
 
 
 
  花岡雄二3号生徒は、「 朝の0750時に、教室に入って、授業が始まるのであるが、早朝の
 
 カッター訓練などで、くたくたになってしまう、その後、朝食を食べた後、朝から眠くなってしまう
 
のであるが、ここでがんばるわけだ。
 
 
イメージ 1
  
 
   先生は、当然軍人と、語学などは、文官の先生で行われる。 授業は、心構えなどの、
 
   精神的教育から、 実務的なこと、 それから、運動的な事、いろんな分野に及んでいて、
 
   授業終了後、 復習の時間も少ないので、授業中、短時間で集中して覚えることが、必要となる。
 
 
イメージ 2
  
 
    たとえば、手旗信号の授業などは、体で覚えるしかない、とにかく、授業中の集中力が、
 
   大切である。
 
 
イメージ 3
    
 
        1時間でも、居眠りをしていた場合、 もう、落ちこぼれてしまう、 そういう授業だ。
 
 
    すると、源田實は、「復習の時間が無いとは、大変ですね。時間は作れば良いではないですか。」
 
 と、質問をすると、 花岡雄二3号生徒は、「 はぁーー。」とため息をついて、「 自分の家の場合は、
 
 自分は、寝る時間を削って、勉強していたのであるが、ここ、兵学校はな、9時には、消灯して、
 
 全員、寝ないといけない、それ以前はな、先輩方の指導や、説教があって、時間が取れない
 
 のだ、唯一、夕方に、40分程度、休憩時間があるのであるが、そんな時間、あっという間だ。 
 
   特に、兵学校では、語学が出来ないとだめだ、 英語は、必修、フランス語、ドイツ語、支那語は、
 
   選択で、書けただけではだめなのだ、ちゃんと、会話が出来て、話せて、いくらの世界で、教員も、
 
   英語などは、イギリス人の先生がいるのであるが、なかなか、話が出来る様になるには、時間が
 
   少なすぎる、 時間が無いので、効率よく勉強して、暗記するのが、兵学校の授業でのコツだ。
 
   「 ウィーー、ボンジューール。」とは、フランス語であるが、解答出来る物は、この中におるか、
 
   と、花岡雄二3号生徒が、逆に質問したのであるが、8人とも沈黙してしまった。
 
   すると、花岡雄二3号生徒は、「 こんにちは。と、言う意味なのであるが、これを暗記する場合、
 
   ウイーーと、酔っ払う、ぼんくら息子の顔は、鼻ジュールである。と、 覚えるわけだ。」と、
 
   解説すると、我々8人は、クスクスと、大笑いしたのであった。
 
   すると、花岡雄二3号生徒は、「 おっ、いかんいかん、帰隊の時間が迫ってきた、すまんが、
 
   明日、7時前には、ここの川口家を出発できるように、各自、用意しておいてくれ。」と、言って、
 
   川口家のご主人に丁重に挨拶して、帰隊されたのであった。
 
   群馬県出身の花岡雄二3号生徒は、フランス駐在武官などの外国勤務を歴任し、海軍大佐と
 
  なって、 連合艦隊 参謀に就任して、活躍するのであるが、この後、20年後の事である。
 
   当時から、語学に堪能で、面倒見の良い人で、話しやすい良い人柄であった。
 
   我々8人の生徒は、夏の暑い夜を、ここ、小用の川口家で、お世話になる事になったのであった。
 
  【次回に続く。】