第420回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第419話 御国の言葉の事。                     2013年4月16日 火曜日の投稿です。
 
 
 
  
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   監事附きの曹長が、「  声が小さい、 良いか、海軍では、潮風の中、艦内でも、波の音などで、
 
  声が聞こえにくい、 尻の穴をしめて、腹の底から、大きな声を出すように、 それと、貴様らの
 
  故郷の国の言葉で、話しをしてはいかん。 休暇の時に、国に帰って、思いっきり、しゃべってこい。
 
  海軍にはいったら、海軍の言葉で、しゃべるように。 なぜかわかるか。」と、今度は、私に問いか
 
  けてきたので、私は、「 よくわからないであります。」と、返事をすると、 「 それはなぜかというと、
 
  命令、 時刻、伝達が、それぞれの兵が、国の方言で話していた場合、 間違って、伝達されるか
 
 らである。  よいな、 ごあすとか、 おいどんはとか、 言うたら、いかんぞ。」と、鹿児島一中の
 
  福元義則君に、言うと、「  わかりましたであります。」というと、 曹長が、 「よく、理解できた
 
  であります。ともう一度言え。」と言うと、 福元君が、「 よく理解できたであります。」と、大声で
 
  叫ぶと、曹長が、急に背筋を伸ばして、きょうつけをして、敬礼するので、 私は、どないしたんやろ
 
  と、見ていると、後に白い服のおっさんが、たっていて、よーーく見ると、 海軍兵学校
 
 
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  校長の 千坂中将が、後に立っていて、「  ほうーー貴様ら、やっとるなーー。しっかり、精進
 
せよ。」と言って、 階段を二段づつ、上がっていったのであった。
 
  なんだか、風格があって、仏様のよう、威厳が感じられたのであった。
 
  そして、いよいよ、私たちも、階段を2段ずつ上がっていき、上の生徒の宿舎室に案内されたの
 
 
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   であった。
 
 
   この部屋で、入学後の分隊の構成についての説明が、曹長からあったのであった。
 
 
【次回に続く。】