第429回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第428話 一路、奈良県葛城村へ、の事。2013年4月25日 木曜日の投稿です。
翌日。私たちは、滞在中、お世話になった、三谷家に、丁重に挨拶をして、宿舎を
後にしたのです。
三谷の老婆は、「 きぃーーつけて、かえるんよ、また、あそびにおいでーね。」
と、 私たちを見送ってくれたのであったのです。
左に、海岸を見ながら、小用の港を目指して、雑談をしながら、歩いたのです、
港に到着してみると、既に、30人程列が出来ていて、小池君達がならんでいた
のです。
小池君のお話によると、広島1中の源田達は、昨日、小用を出発したそうで、
奈良まで一緒に戻ろうと、私を待っていたらしい。
電話も、なく、宿泊先も、わからないので、港で待っていれば、必ずくると思っていた
らしいのです。
私たちは、港で順番を待ちながら、雑談をして過ごしていると、あれよあれよとい
う間に100人程、列が出来てしまい、 始発から1時間後の船にようやく、乗船で
きたのです。
一路、我々を乗せた船は、呉の河原石港を目指して、瀬戸内の海を快走して
いったのです。
しばらく行くと、呉の軍港が見えてきて、小池君達に、「早起きして、港に行って
良かった、あんなに、大人数がならんでいたら、昼過ぎまで、待ちぼうけやがな。」と、
言うと、「 ほんまですわ、 ところで、 このまま、呉経由で、広島行くと、夜中に、
大阪で駅で、よあかしせにゃーならんですやん。」と、小池君が言うので、「 ほんま
やな、どこかで、時間潰して、夜行で帰って、奈良には、昼過ぎに到着にすると、
段取りがええんかいな。」と、そんな話しをしていると、 赤い籏が立っているプイ
の前で、船は、左に転舵して、河原石港に、到着したのです。
我々は、船を下りると、 一路呉駅を目指して、歩いたのですが、
私は、お土産を買って帰るのを忘れていて、 みんなに、「 土産はどこで
買おうかいなーーー。」と、いうと、小池君が、「 ほんまやなーー、どっか
えーーとこ、ありゃへんか。」と、こんな会話をしながら、呉駅を目指したので
す。
【次回に続く、】