第557回 昭和の伝道師【戦中。戦後のパイロットの物語】

第556話  海軍兵学校 柔術の授業の事。       2013年8月31日土曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
   随分と、温習室【復習室】で、 1号生徒に大怒られして、指導された翌日であったか、私達は、
 
初めての柔術の稽古を、海軍兵学校の武徳殿にて、受けたのである。 
 
 
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                          【 海軍兵学校 武徳殿 古写真 】
 
 
         私達が、兵学校の当時、 先に紹介した、剣術と、今回紹介する柔術 は、必修で、
 
        昭和に入ってからは、 後輩の士官に聞いたところでは、どちらかを選べるようになって
 
        いたらしい。
 
        ほかにも、色々と武道は、教えていただいたのであるが、順序をおいて、紹介して
 
        行きたい。
 
 
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       私達は、首席の生徒の号令で、整列、点呼の後、道場十訓を、全員で、唱和して、
 
     教官に敬礼を行って、授業が始まったのであった。
 
    兵学校には、柔術の先生は数人いて、 たしか、記憶によると当時、緒方、木村、吉村、
 
    先生の他に、 講道館という、東京の方から、柔術の指導員の 高村先生が、おこしになら
 
    れていて、 当時は、 いろんな先生の指導を受けたのであった。
 
    当時海軍では、 巡洋艦以上のクラスの、甲板の広い艦には、 柔術部というのがあって、
 
 
 
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                   【 当時の甲板後部での、柔術の試合風景 古写真 】
 
 
         船の上に、ござの毛が生えたような、マット風の物を敷いて、 稽古をしていたの
 
        であった。
 
        私が、前を見ていると、かわった耳の形をした、肉づきのしまった身体の先生が2名と
 
        監事附きの下士官が、黒帯を締めて、わしたちの前に現れたのであった。
 
        私は、当時、「 どうしてあんな耳になるのかいな。」と、思い、珍しい物を見るように、
 
        教官の、ぎょうざ耳を、見つめたのであった。
 
 
 
【次回に続く。】