第593回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第592話 シベリア出兵 幣原外交の事。         2013年10月6日 日曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
    
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             渡邊総領事は、海老原大佐に続けて、こう説明したのでした。
 
 
 
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                       【  ウラジオストック  全景 】
 
 
   「 このウラジオストックが、5月から6月に、赤軍に攻撃されますと、ここの日本人居留民は、
 
   3000人以上おりまして、総領事の私の立場からしますと、 全員逮捕、シベリア送りの強制
 
   労働などは、事前に回避すべき事案でございまして、 現在の時点で、全員日本に帰国する
 
 
   
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   のが、1番良い方法ですが、 当地に、工場や、商店などを、せっかく再建して、まだ月日が
 
   経っていないので、みな、ここにとどまるという日本人が多いのです。
 
 
 
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         【幣原 喜重郎 【しではら きじゅうろう 】外務次官   のちの 内閣総理大臣 】
 
 
 
   そこで、外務省の東京本庁の幣原外務次官【 しではら きじゅうろう 後の内閣総理大臣
 
   から、つぎの様な外交方針が、発令されまして、 日本政府は、ここのウラジオストックを確保し
 
   ている白軍、 つまり、 シベリア共和国のウクライナ人のコルチャック提督と、同盟を結びまして、
 
   軍事、外交、経済で、今後支援していくという、そういう命令が、最近発令されたのです。
 
 
 
 
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  現在、ロシア帝国は、陸軍の明石機関の特務工作で、分列し、ロシア皇帝は、逐電して、
 
行方知れずとなり、 ドイツに近いポーランドでは、青軍と呼ばれるポーランド人の独立運動が起こり
 
 
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                    【 武力によって、共産主義を目指す、レーニン 】
 
 
争乱の最中で、 首都モスクワでは、レーニンのボリシェヴェキ政府、赤軍ですが、勢力をどんどん
 
広げております、 又、ネストル、マフノ軍こと、 黒軍も、争乱を繰り広げています。
 
 
 
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 いずれ、レーニン共産国家は、モスクワを中心に、出来上がるでしょうが、 外務省の幣原次官は、
 
中央の桃色の、シベリア共和国のコルチャック提督の国を、 共産主義の防波堤とし、支援し、
 
 
 
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コルチャック提督の後側に出来た、 テーヴェーエール共和国、 赤軍の勢力を、日本で、白軍と
 
同盟を結んで、攻撃して、討伐し、 ここ、沿海州に、傀儡国家を樹立する。
 
 
 
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                【観閲する、 白軍 シベリア共和国 コルチャック提督  】
 
 
つまり、 中国人、ロシア人など、日本人、ウクライナ朝鮮人、高麗人の共和国を作って、
 
統治することで、 この沿海州を固めてしまう、つまり、軍事的脅威を無くしてしまう。
 
こういう、外交方針なわけです。
 
 
 
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  その外交方針にそって、 交渉窓口は、ここウラジオストックになるわけですが、順調にいきますと、
 
 
 
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   ルースキー島要塞は、白軍が押さえているのですが、戦うことなく、日本の側の要塞に、
 
   なってしまうわけでして。」 と、説明すると、「 数年前に、大戦争をしていた、露助【ろすけ】と、
 
   同盟を結んで、一緒に戦うとはーーーー。」と、海老原大佐は、目を丸くして、幣原喜重郎
 
   外務次官の構想を聞いたのでした。
 
   このシベリア出兵は、彼の構想に沿って、 物事が動いていくのでした。
 
 
 
 
【次回に続く。】